ミャンマーで約30年ぶりに行われた国勢調査の結果の一部が新聞に掲載されていた。改めて数字を見ると興味深い。
【5月31日Myanma
Alinn掲載分より】
*人口
全国 5,149万人
内男性 2,482万人
内女性 2,666万人(51.8%)
(尚、カチン州、カレン州、ヤカイン州の一部地域は治安上統計が取れないため推定値120万人として算出)
*人口が最も多い管轄区:ヤンゴン管区(14%)
*人口が最も少ない管轄区:カヤー州(0.6%)
*ミャンマー全国の人口はアセアン諸国の推定人口6億1千5百万人のうち8.4%(5位)
*人口密度
全国:76人/平方キロ
ヤンゴン管区:716人/平方キロ
チン州:13人/平方キロ
*都市・村落部の居住割合
全国の村落居住率:70%
ヤンゴン管区の都市居住率:70%
エーヤワディー管区の村落居住率:86%
*人口増加率:0.89%
*ミャンマー全土の人口ピラミッドの型:つぼ型
出生率の低下と生産人口15~64歳が多数のため人口ボーナスを得ている状況が見て取れる。今後20年は引き続き恩恵を受けるものと思われる。その後は高齢者が増加するため介護事業を重点的に行わなければならなくなる。
*男女比
15歳未満で男性の比率が多
15歳以上で男性の比率が減少傾向
*15歳未満と65歳以上の被扶養者率
52.5%、減少傾向
*前回の国勢調査である1983年と今回の2014年との比較
世帯数:67%増加
1983年 6,495,621世帯
2014年 10,877,832世帯
*平均世帯構成人数
全国:4.4人
カチン州・チン州:5.1人
マグエー管区・エーヤワディー管区・ネーピードー:4.1人
*約70%の世帯構成人数:2~5人
【6月1日Myanma
Alinn掲載分より】
<社会傾向>
*既婚男性の割合:女性より多
未婚女性:多
寡婦:10.4%
寡夫:3.1%
*女性が男性より早く配偶者を亡くす傾向にあり、時期は女性が35~40歳、男性が55歳
*既婚者割合の一番多い年代
女性:35~39歳
男性:45~49歳
<移住関連>
*国内移住者割合
女性の方が男性より多
女性:家族の同伴のため
男性:職務上もしくは求職のため
*海外移住割合
男性61%
主な民族:モン族、カレン族、シャン族
*海外居住者の主要年代
15~39歳
*外国居住者の主要国
タイ:70%
<教育状況>
*識字率
10歳以上:90.2%
15歳以上:89.5%
最も高い管轄区:ヤンゴン(97%)
最も低い管轄区:シャン州(65%)
*識字率の男女比
男性の方が女性より高い
*ミャンマーの識字率はアセアン諸国の平均識字率と等しい
*5~25歳の学生の男女比は等しく、学校教育において男女の違いがないことが分かる
<経済傾向>
*ミャンマーにおける生産年齢(15~64歳)の67%が労働力となっている
*職を得ている人の人口割合:64.4%
*職に就くことができる人口の4%が無職、とくに15~29歳の若者では7.7%が無職となっており、全世代平均より高い。
<出産関連>
*女性1人あたりの生涯出産人数(合計特殊出生率・TFR)
全体:2.3
婚姻経験のある女性:4.03
*ミャンマーのTFRは東南アジア諸国の平均TFR
2.5と(ほぼ)等しい。
*出生率が最も多い管轄区:チン州4.34
出生率が最も少ない管轄区:ヤンゴン管区:1.71
*15~45歳の女性の出産率は都市部より村落部の方が多い。
【6月2日Myanma
Alinn掲載分より】
<死に関すること>
*期待寿命(新生児の平均余命)
全国:66.8歳
最長:モン州
71.7歳
最短:マグエー管区60.6歳
*死亡率(乳児死亡率・IMR)
生存して出生した1,000人のうち
1歳未満:62人
5歳未満:72人
*1年未満・5年未満とも死亡率が最も高い管轄区:マグエー管区
1年未満・5年未満とも死亡率が最も低い管轄区:モン州
<国内の障害者状況>
*全国の障害者割合:4.6%
*障害者割合の分布
40歳から増え、65歳以上で顕著
*障害者割合が最も多い管轄区:エーヤワディー管区、チン州
障害者割合が最も少ない管轄区:ネーピードー
*障害で最も多いのは視覚障害
<家と家で使用するものの使用状況>
*全国において、持ち家:86%、貸家:7%、公務員住宅3%
ただし、持ち家には木や竹で作られたものも含む
*全住宅の79%が木もしくは竹で建てられている。
*明かりとして電気を使っている世帯割合
全国:32%
都市部:78%
村落部:15%
*明かりとして電気を使っている世帯が最も多い管轄区:
ヤンゴン管区(69%)
明かりとして電気を使っている世帯が最も少ない管轄区:
タニンダリー管区(8%)
*料理に使用する熱源:木材とその関連81%
*飲料用の水について、主に被圧井戸を使う世帯31%、浄化水ボトルを使う世帯31%
*飲料用に適した水を使っている世帯:70%
*清潔なトイレを設けて使用している世帯:74%
*トイレのない世帯:14%
<通信交通機器の使用>
*テレビ所有する世帯:50%
*携帯電話の所有:33%
*バイクを所有する世帯:39%、バイクと電動自転車を所有する世帯の70.2%が村落部
全ての統計は以下(UNFPAのサイト)でダウンロードが可能です。
尚、雇用、職業、民族、宗教などについては2016年中に公表するとのこと。