2012/06/30

建物の崩落

日本ではあまりないが、ミャンマーではビルが突然崩れたというニュースを新聞でみることがよくある。

昨日の新聞ではヤンゴンで築25年の住居用2階建て建物が夜中に崩れたことと、クリニックの入った建物が、恐らく営業時間と思われる時間に9mほど崩れたことが載っていた。

ミャンマーは1年の半分が雨季で、大雨が降るとすぐに冠水するところも多い。かつて住んでいたローカルのアパートもコンクリートの壁がカビてモルタルやペンキの塗装もすぐに剥落するような状態だった。

築年数がかなり経っている建物は危険の可能性が高い。政府も危険な建物を指定して住まないよう指導しているが、危険な建物の数が多く対応が追いついていない感じだ。今後、外国人もローカルアパートを借りる機会が多くなると思うので、建物のチェックは入念にすることをお勧めする。

2012/06/28

地上波 channel 7 開局

これまでミャンマーで地上波テレビのチャンネルはMRTVMRTV-4Myawaddyだけだったが、627日付の国営紙によると新たにChannel 7 がヤンゴンとマンダレー、その近郊で受信できるとのことだ。Channel 7 はヤンゴンでVHF222-228MHz、マンダレーでVHFJ11210-216MHz。それとともにMRTV-4はデジタル放送を行っている地域でデジタル受信が可能とのこと。

残念ながら番組表が紙面に掲載されていないので、どのような番組が放送されるのかはまだ分からない。

2012/06/27

観光環境も整備

外国人にとってミャンマー観光といえば、世界三大仏教遺跡のひとつであるバガン遺跡、英国植民地以前に王朝があり現在国内第二の都市となっているマンダレー、浮き畑農業や水上生活をする少数民族の暮らしが垣間見れるインレー湖が最も有名で規模も大きいが、その他にも小規模ながら見所は各地に点在している。しかし、小規模な観光地やかつては外国人の立ち入りが認められなかったような場所はあまり整備されていなかったのが現状だ。周辺が整備されていないのは素朴でいい面もあるが、歴史的な建造物や遺跡が荒れてしまうのは歴史的な損失に他ならない。

このほど文化省下にある考古学国立博物館図書館局の発表によると、歴史的な場所3ヶ所を民間企業とともに考古学公園にするとのことだ(625日付ミャンマータイムズ、インターネット、英語版)。その3ヶ所は、マンダレー近郊でかつて約400年も王都があったインワ、バガンとマンダレーの中間あたりに位置し木彫が施された僧院があるイェーザジョー、シャン州にあり洞窟内に壁画が残されているバダリン洞窟である。これらはユネスコの世界遺産の暫定リストに載っているものだ。その暫定リストにはミャンマー国内の遺跡や建造物など、約20ヶ所が載っている。現在のところ世界遺産に登録されているものはない。しかし、個人的には世界遺産の価値が充分あるにもかかわらず、登録されていない場所が多いと感じている。

また、上記紙によるとミャンマー投資委員会(MIC)はヤンゴンにある4つの国有建物についてホテル化するために入札を行うという。77日が入札締め切りで、国内外から多くの問い合わせを受けているとのことだ。ミャンマーには英国植民地時代に建てられたコロニアル様式のビルが多く点在している。その歴史的な建物をホテルとして利用するということらしい。これら植民地時代の建物はかなり老朽化しており修築が必要となっていた。

近年、経済活動が活発化している中、観光環境の整備も徐々に始まっている。


2012/06/21

テイン・セイン大統領の演説

19日に首都ネーピードーで行われたテイン・セイン大統領の演説は翌日の新聞に約3面に渡って掲載された。そのうちの一部のみご紹介する。

2011-12年会計年度から2015-16会計年度の短期五ヵ年計画(草案)の目標
1GDP7.7%増加する。
2GDPにおける農業部門比率を36.4%から29.2%に引き下げ、工業部門比率を26.0%から32.1%、サービス部門比率を37.6%から38.7%に引き上げる。
31人当たりGDP1.7倍にする。計算上は1.7倍を目標としているが、政府としては3倍にする努力をしたい。(多くのメディアでは単に3倍としか報じていないが実際の計算上は1.7倍とのこと。)国民の生活が満たされるよう国民の所得増加に努める。そのために、国家予算の削減、援助・借款の増加、国内外からの投資促進を柱とする。

国家財政の赤字は2011-12会計年度で2,159,534百万チャット(約2,200億円)で、2012-13会計年度は1,953,712百万チャットの見込み。財政赤字を食い止める必要があり、効率が悪く不必要な事業は削減およびコストカットし、民営化も行う。民営化は解体・売却ではなく、先ずは国営の比率が高い通信、電力、エネルギー、林業、教育、健康、金融分野を調査し、民間所有比率を高めていく。

雇用促進とともに最低賃金を定める法律を作る。外国投資法はまもなく連邦議会を通過し、経済特区法案も議会に提出される。貿易と投資が国際社会で経済成長するために重要な位置付けであると同時に、土地や水資源、森林や鉱物資源の持続可能な開発のために法規を制定する。
電力に関しては最近起きた国民の電力要求に言及し、これまで発電量が少なく、送電コストのかかる水力発電に頼ってきたが、昨今の電力需要に応えるため、天然ガスやディーゼル、石炭、太陽光、風力、バイオ、廃棄物燃料からの発電も行うとのことだ。
全体的には国内の法律やシステムの整備、計画の策定実行、財政の健全化、投資および雇用の促進、国民生活の向上など課題は山積みだが、政府とともに国民および海外の協力も含めて全体でひとつひとつ目標に向かって努力していこうという強いメッセージが感じられた。

2012/06/19

水産加工会社がCMPビジネス参入


ミャンマーで委託加工貿易のことをCMPCutting, Making and Packing)と呼ぶ。CMPといえばこれまで縫製業や製靴業で行われてきており、日系もかつてより参入している。工場は生地や縫製材料を全て輸入し、それらを縫製して委託加工料を受け取り、製品は全量輸出するというものだ。

618日付ミャンマータイムズ(インターネット、英語版)が民間情報として伝えたところによると、このほどいくつかの水産加工会社がCMPビジネスの申請を当局に行っており、来週には許可が下りるという。ある会社は先ずアルゼンチンからの水産物を加工するという。今回CMPビジネスを申請した背景としてミャンマーでの漁獲量不足も挙げている。

ミャンマー水産物加工輸出協会の書記も水産加工のCMPビジネスが上手く行くとは言い難いとコメントしているが、慢性的な電力不足や港湾での冷凍コンテナの管理状況、トラック輸送中の保冷方法などを考えると、あと数年は厳しい感じがする。しかしCMPビジネスが縫製業以外にも広がることには歓迎だ。

2012/06/18

蚊の対策


雨季が始まると水溜りがあちこちにできる。蚊が特に多い季節になってきた。東南アジア地域に言えることだが、ミャンマーも蚊が多い。蚊が媒介する感染症で、駐在員がよく罹るのがデング熱およびデング出血熱だ。それらを媒介する蚊は都市部に生息し、朝や夕方に活動する。(デング熱、デング出血熱に関する詳しい情報は国立感染症センターのページへ

予防は先ず蚊に刺されないことなので、私は虫除けスプレーを常備しているが、汗や雨で流されてしまうのか、蚊に刺されることがよくある。

ミャンマーのレストランは外にテラス席を設けているところも多く、外で食べると気持ちいいが、蚊に悩まされることが多い。そういう時は殆どのレストランで蚊取り線香を焚いてくれるので、お店の人に「チンゼー ペー バー(蚊取り線香をください)」と遠慮せずに言おう。ミャンマー語で蚊取り線香は「チンゼー」という。棒状の一見花火のような形状のものか、日本でお馴染みのコイル状のものを持ってきて焚いてくれる。これでけっこう蚊が寄り付かなくなるものだ。

蚊の対策と言えばミャンマーでは蚊帳は欠かせない。日本ではもう見ることもなくなったが、ミャンマーでは今でも大活躍している。旅行者や高級アパートメントにお住まいの方には必要ないかもしれないが、ローカルのアパートを借りて暮らすとなれば蚊帳は重宝する。蚊帳はミャンマー語で「チンダウン」という。スーパーとか雑貨屋で手に入る。

2012/06/12

賃上げ協議の結果


先月59日に賃上げストが起きて11日に早期決着に至ったはずの韓国系かつら工場Hi-Moが、後日その合意を取り消したため、再び524日に1500人の女性従業員によるストが起きていた。そして65日に協議を行い、再び合意に至ったらしい。

68日付のミャンマータイムズ(インターネット、ミャンマー語版)によると、Hi-Moの従業員は基本給K30,000と諸手当を求めていたが、諸手当は合意したものの、基本給についてストが長引いていた。65日に基本給29,700チャット+賞与10%で合意したとある。(総額は基本給+賞与+諸手当から成りこの記事では諸手当が明示されていないので総額が分からないが、以前の記事を参照すると交渉前の諸手当がK35,00065,000とあるので凡そK67,00097,000になったと思われる。)

協議は(Hi-Moを含む)ストが起きている5つの工場の責任者と従業員が会し、労働省副大臣、工場・労働法検査局、ミャンマー衣類製造業者協会会長、法律コンサルタント、民主化活動家も出席して行われた。

ミャンマー縫製業協会会長が3つの労働団体に対し、基本給の規定について提案した結果、CostecGreat ForeverCNN ミャンマー・トレーディング、サン・カウン縫製など4工場の従業員と工場責任者は提案どおり合意したそうだ。

提案の内容は、見習いの場合、日当K1,000として1ヶ月に日曜と休日を除き27日出勤するものとして、基本給をK27,000/月、生活手当をK100/日としてK2,700/月、残業手当を1時間K273として1ヶ月最大88時間の残業でK24,000、精勤手当K3,000/月で合計最大K56,700/月。(K10≒1円で計算するとよい)

また、Cレベルのオペレーターの場合、日当をK1,100とし、生活手当K300/日、残業手当K300/時間、精勤手当K3,000/月、生産賞与K3,000/月を合計してK70,200/月。

Bレベルのオペレーターの場合、日当K1,150、生活手当K500/日、残業手当K313/時間、精勤手当K5,000/月、生産賞与K5,000/月を合計してK82,094/月とのことだ。

2012/06/08

新しい高額紙幣の発行


昨日の国営テレビのニュースによると来週615日に新しく10,000チャット紙幣(約1,000円)が発行されるとのことだ。通貨の単位は「Kyat」、略して「K」とか「Ks.」、「MMK」と表される。日本語では慣習的に「チャット」と表記するが、実際の発音は「チャッ」という。

現在の最高額紙幣は5,000チャット。以下、1,000500200・・・と続く。かつては15とか4590チャット紙幣という中途半端な金額の紙幣があり、支払いのたびに頭を使った記憶がある。現在一番よく使う1,000チャット紙幣が導入されたのは1999年ごろ。導入当初はお店でなかなか受け取ってもらえなかった。おつりが多く要るからだ。また、暫くすると高額紙幣は偽札の危険があるということでお店では紙幣を入念にチェックするようになった。それが13年ほど経ってその10倍となる10,000チャット紙幣が新たに発行されるという。体感だがこの10年で通貨の価値がだいたい10分の1ぐらいになっている。

ミャンマー国内では現金決済が多い。だから少し高額な買い物をする時は札束を袋に詰めて持ち運ばなければならないし、今では現地女性のハンドバックからも普通に札束が出てくるようになっていた。この新しい高額紙幣の導入で札束を運ぶことがなくなり、少しは身軽になる。

2012/06/06

ANAのヤンゴン直行便


このところ国営紙に掲載される記事で多いのは外国からの要人もしくは企業がミャンマーの大統領や大臣と面会したというニュースだ。日本ではそのごく一部しか伝えられていないが、ほぼ毎日のように諸外国から多くの訪問者が大統領や大臣、副大臣と面会している。その中には日本企業も多く、Myanmar Ahlin65日付の記事には全日空の副社長率いる一行がホテル観光省副大臣および運輸大臣と面会したことが載っていた。

全日空は成田-ヤンゴン間の直行便を今年中に計画しているという発表が4月にあったばかりだ。記事によると、今回の運輸大臣との面会では関空-ヤンゴン間の直行便の再運行について(ANA19967月~20003月まで週3回、関空-ヤンゴン間の直行便を運行していた)やヤンゴン空港での支店開設、ヤンゴンでの機体整備および地上サービスをMAIMyanmar Airways International:ミャンマー航空)に業務委託すること、国内ヤンゴン-ネーピードー間のチャーター便運行などについて協議したとのこと。

成田-ヤンゴン-成田間のルートは週3回、9月か8月中旬から運行するとしている。その他9月中には東京-ヤンゴン-ネーピードー-ハノイ-東京間のチャーター便を運行するとのこと。

これまでヤンゴンへのルートは近隣国を経由して1日がかりで移動するしかなく不便だった。全日空の直行便で、時間のかかる遠い国というイメージから直ぐに行ける近い国に変わるかもしれない。

2012/06/02

ドリアンの季節到来

ドリアンは人によって好き嫌いが極端に分かれる食べの物のひとつだが、私は大の好物だ。あのカスタードクリームのような食感が何ともいえず、一般にくさいといわれる臭いも好物となると良い匂いにしか感じない。ドリアンは雨季の初めぐらいからヤンゴンに出回り、私にとって雨季の楽しみとなっている。

どのお店でも(露天商のことだが)あの硬いトゲトゲの分厚い皮を剥いてくれるので観光客でも手軽に買って食べられる。スーパーでは剥いて果肉だけをパックにしたものがあるが、私はやはり熟れているかどうかを目と鼻で確かめながら露天で買うのが好きだ。熟れているのと熟れていないのとでは味に格段の差がある。因みにドリアンはミャンマー語で「ドゥーインディー」という。

ミャンマーで有名なドリアンの産地はカレン州で、先月末タウングーのドリアン市場に多くのドリアンが並び、ヤンゴンに国産ものが出回る季節がやってきた。ヤンゴンではタイ産のものも売られている。新聞によるとタウングーでの市場価格は大きいもので1個2,500~3,000チャット(約200~300円)、中ぐらいで1個1,500~2,000チャット、小さいもので1,000チャットほどとのことで、出始めとしては良い値がついているらしい。タウングーからトラックや列車でヤンゴンまで運ばれてくると幾分か上乗せされて市場に出回ることになる。タウングーの市場では収穫期を迎えると1日10万個ほどにまでなるらしい。旬の熟れたドリアンが待ちきれない。

2012/06/01

商用アライバル・ビザ開始


本日61日から開始するヤンゴン空港でのアライバル・ビザについて在東京ミャンマー大使館のホームページに申請書類が載っている。商用ビザ、会議・ワークショップ等に参加する入国ビザ、通過ビザが必要な方は以下ページを参照のこと。