2013/11/12

電気料金値上げに対する政府説明

先日、ミャンマーでは電気料金が急に値上げされた。値上げの影響を受ける者の不満は当然高まる。事前の説明を周到にしておくべきだが、急に値上げをしてから説明に追われている様子だ。11月12日付Myanma
Alinnによると、その説明の内容は以下のとおり。

現在、国民の約30%しか電気を利用できていない。残る70%の国民のために電力を供給しなければならない。建設費用は発電に1メガワット当たり100万米ドル、送電に100万米ドルかかる。1年につき15%の電力需要が伸びているため送電システムの拡充が必要である。発電費用は単位当たり石炭で100チャット(約10円)、天然ガスで130チャット、水力で50~70チャット、平均すると78チャットである(送電費用は含まず)。現行のままの電気料金では単位当たり22チャットの赤字となり、年間1,850億チャットの赤字になる。

世銀、アジア開発銀行、JICAが財務状況を維持継続させるために発電費用に見合う電気料金を定めるよう要請した。月間使用量100単位以下の一般家庭は基本レベルとして58.89%、5,000単位以下は中小事業者として82.60%と定めている。基本レベルの月100単位以下は従来どおり35チャット/単位、中小事業者は月5,000単位までを75であったのを100チャット/単位、支払うことになる。

ASEAN諸国であるフィリピンでは272.44チャット/単位、インドネシアでは235.20チャット/単位、シンガポールでは169.00チャット/単位を支払っている。発展途上諸国で行っているように基本レベルの料金を少なくし、使用量に応じて電力料金を支払うシステムを採用している。このように使用量の多い所から支払われた収入によって、現在行っている地方電化計画により、400チャット/単位以上も支払って使用しなければならないヤカイン州やタニンダリー管区へ中央電力網から電気を送ることができるようになる、とのことだ。

2013/11/01

無電化村の電化実施状況

ミャンマーにはまだ電気が通っていない無電化村が多くある。どれぐらいあるか具体的な数字が111日付Myanma Alinnに出ていたのでご紹介する。

村落合計                64,917
電化済み村落             21,675
201314年度、電化実施村落     766
未電化村落              42,476

【電化済み村落の電化方法内訳】
配電方式                 4,785
自家発電方式              12,783
小規模水力発電方式          2,154
ソーラー方式                 740
バイオガス/バイオマス         1,213

201314年度実施の電化方法内訳】
配電方式                  249
自家発電方式                  1
小規模水力発電方式           156
ソーラー方式                358
バイオガス/バイオマス            2

2013/10/30

縫製業で熟練労働者が不足

1030日付Myanma Alinnによると、縫製業界では熟練労働者の雇用が難しくなっているとのこと。国内需要と輸出が増加しているほか、縫製工場が増加していることが原因らしい。現在、ヤンゴンのフラインターヤー工業区には500近い縫製工場があるという。

ある工場の人事担当者によると、労働者の転職や熟練者不足の問題があるものの、労働者側は機会が増えており、就労希望者は増えている。少なくとも月給7万チャット(約7千円)ほど得ることができるが、熟練レベルには達しておらず、転職を繰り返して基本給止まりが多い。約20%の忍耐力のある労働者だけが、月給15万チャット~20万チャット(約15千円~2万円)ほどを得ているが、多くは技術もなく月給も少ない労働者とのこと。

縫製業協会によると、熟練者育成コースを設けているが受講者は少なく、会社で行われる訓練に従う者も少ないとのこと。また、ミスした場合に給与から差し引く厳しいシステムもあり、熟練者として処遇しても転職してしまうことが多いらしい。

ミャンマー投資委員会の統計によると、ミャンマー国内への外国投資は縫製業が第4位であり、アジアだけでなくヨーロッパからも投資が進んでおり、現在の投資額は2,750百万米ドルとのこと。

2013/10/20

東京・日経ホールでの講演(みんぱく公開講演会)のお知らせ

東京にてミャンマーの民主化に関する講演会がありますのでお知らせいたします。

講演者、パネルディスカッション・コメンテーターは『ミャンマーを知るための60章』(㈱明石書店発行)の編著者でもある田村克己教授、著者の伊野憲治教授・土佐桂子教授です。お時間がありましたらぜひご聴講ください。(なお、来場には参加証が必要ですのでご注意ください)
また当日会場にて、『ビジネスと生活の使えるミャンマー語』の販売も予定しております。

講演内容:
 「社会の底流から民主化を考える」田村克己(国立民俗学博物館教授)
 「アウンサンスーチーと民主化のゆくえ」伊野憲治(北九州市立大学教授)
パネルディスカッション:
 土佐桂子(東京外国語大学大学院教授)、田村克己、伊野憲治

主催:国立民族学博物館、日本経済新聞社
日時:20131025(金)183020401730開場)
場所:日経ホール(東京都千代田区大手町1-3-7日本経済新聞社ビル3階)
定員:600名
参加費:無料(要申込/「参加証」が必要です)

申し込み方法、詳細はこちらです。





『ミャンマーを知るための60章』第56章で参加

『ミャンマーを知るための60章』田村克己・松田正彦/編著が㈱明石書店より発行されました。本書は長年ミャンマーにかかわってきた約70名の専門家が各章を担当し執筆しています。私の恩師や各業界の専門家が名を連ねる本書に、私も第56章で参加させていただき、大変光栄です。

本書の内容は歴史から社会、文化、経済に至るまで幅広く、ミャンマーとはどんな国かを概観するためにお勧めの1冊です。本文は白黒ですが写真も多く、各章が短いため読みやすく、専門書という堅苦しさを感じません。ぜひミャンマーを知るために本書をお役立てください。


2013/10/16

ヤンゴンでのその他の爆発事件

1014日にヤンゴン中心部の高級外資ホテルであるトレーダースホテルで爆発事件が起きたが、それ以外でこの数日間に起きた爆発事件、爆発物発見事件は以下のとおり。 

1013日午前015分、ヤンゴン市インセイン地区にあるピー・ロードのバス停で爆発が発生。バス停の広告(日本の瓦を宣伝したもの)などが損傷。更に、広告の脇にあったゴミ箱の横に黒いビニール袋に4×2×1インチ足らずのC-4火薬、起爆装置、目覚まし時計がワイヤーで取り付けられた手製爆弾1個が入っていたのを発見。(1014日付Myanma Alinn *インセイン地区はヤンゴン市北部で、当該バス停はヤンゴン中心部から空港に向かう幹線道路にある。空港に近く外国人があまり利用するバス停ではない。)

1013日夕方1715分ごろ、ヤンゴン市タケタ地区の市場付近に止めてあったコンテナ車の脇で爆発が発生。子供2人がゴミを漁っていたところゴミ箱の中から置時計を見つけて触っていたところ爆発したとのことで、その子供2人が負傷。爆発物は置時計にワイヤーが付いていたとのこと。(1014日付Myanma Alinn *タケタ地区はダウンタウンンから川を挟んだ東岸にあり、外国人居住者は少ない地域である。)  

1014日午前10時ごろ、ヤンゴン市アロウン地区にあるレストランWestern Park Ⅱで、店内のテーブルの下に黒いビニール袋に包まれた不審物を給仕が見つけ、マネージャーが開けたところ、ワイヤーと乾電池、黒い包みを発見したため警察署へ通報。(1015日付Myanma Alinn *アロウン地区はダウンタウンに近く、大使館などが集まっている閑静な地域。レストランWestern Parkは中華料理店で、日本語のウェブサイトでも紹介されている中級レストランである。)

ミャンマーではこれまで爆発事件がそれほど多くはなかったが、まれに発生していた。そのためかつてより、例えばヤンゴンのスーパーマーケットやショッピングセンター、オフィスビルなどの入り口では金属探知機を使って検査したり、手荷物を開けて検査することは日常的に行われている。

2013/10/15

ミャンマーのテレビ、デジタル放送へ

1012日付のMyanma Alinnによると、ミャンマーのテレビは1980年からアナログ方式で放送してきたが、この度デジタル方式へ移行することになったという。採用したのはASEANで標準となっているDVB-T2方式で、第1段階として先ず1015日からヤンゴン、マンダレー、ネーピードーの一部地域から開始し、順次各地へ拡大する。

デジタル放送を受信するにはDVB-T2MPEG-4 Tuner方式搭載のデジタルテレビか、アナログテレビに同方式のチューナーを取り付ける必要がある。

視聴可能なチャンネルはMRTV5チャンネル、MWD7チャンネル、Forever4チャンネルの合計16チャンネルで、全て無料だ。現在のアナログ放送は国民の利便性を考慮し、今後3年間は放送を継続するとのこと。

2013/08/23

ヤンゴンのダウンタウン海岸部、冠水

現在、ミャンマーは雨季にあたる。11月から4月まではほとんど雨が降らないが、5月から10月の半年は集中的に雨が降る。降水量は8月のヤンゴンで500ミリほどだ。降り方はしとしとと降るのではなく、ゲリラ豪雨のような雨が日に何回も襲う。

当然それだけ降れば冠水もする。ヤンゴン市内の地形は起伏があるため、大雨が降れば必ず冠水するところや、全く影響のないところがある。海岸部は大潮のときとくに冠水しやすい。823日付のMyanma Alinnにダウンタウンの海岸部が膝上ぐらいまで冠水してる写真が載っていた。調べてみると現在ちょうど大潮だった。 

冠水のニュースは各地から毎日のように伝えられている。乾季は水が足りず、雨季は冠水する。雨の降る降らないが1年でくっきり2つに分かれ、降るときは大量に降るので雨水のコントロールは難しい。

2013/08/22

ヤンゴンの長距離バスターミナルに到着ゲートがオープン

821日付Myanma Alinnによると、アウンミンガラー長距離バスターミナルはイラワジ管区を除くミャンマー全土13地域を結ぶ最大の長距離バスターミナルで、毎日600便が発着しているという。 そこにミャンマーで初となる長距離バスの到着ゲートがオープンしたらしい。

広さは1.42エーカー(約5,700平米)で、ヤンゴン市発展開発委員会と民間企業とのBOT方式により5億チャット(約5千万円)余りをかけて約6ヶ月で建設されたとのこと。その民間企業が運営を許可された期間は17年間という。 

以前は各路線を運行する会社のブースの前にそれぞれのバスが発着し、長距離バスから降りてくる客を求めるタクシーや物売りが加わり、広いターミナル中が混沌としている状態だった。しかも道路は舗装されておらず、雨の多い雨季は泥に悩まされた。 

しかし、今回オープンした到着ゲートは屋根付きで舗装もされている。停車レーンは5つあり、各レーンに6台ずつ、計最大30台が停車できるとのこと。 

セキュリティー用監視カメラ、有料トイレ、銀行やATMも設置され、無料のWi-Fiサービス、チップ制のポーターもおり、ハイクラスな旅は飛行機だけではないと担当者はいう。 

近年、長距離バス会社も新しい車両を次々と導入しており、今回ターミナルが一新されて、長距離バスの旅が更に快適になったようだ。

2013/08/14

ヤンゴンのシュエダゴウン・パゴダ周辺、高さ規制

812日付Myanma Alinnによると、ヤンゴン発展委員会はヤンゴンのシュエダゴウン・パゴダ制限区域ではシュエダゴウン・パゴダよりも高い建物を建設してはならないとし、その制限区域も規定しなおしたと発表したそうだ。

これにより、制限区域内の高さは190フィート(約58m)以下になったとのこと。現在、この規制に関連して検討すべき建物の建築許可申請は31棟あるという。

2013/08/04

ヤンゴン市内700以上の工場、汚水処理システムの設置なければ3ヶ月間一時操業停止へ

83日付Myanma Alinnによると、ヤンゴン市内24ヵ所の工業地帯にある3,561工場のうち、水を使用している2,371工場から排水のサンプルを採り検査したところ、700以上は汚水浄化システムを設置する必要があるということが分かり、先月7月に当該工場へ通知したそうだ。

設置期限は9月迄で、もし設置しなければ10月から3ヶ月間の一時操業停止処分となる。その一時操業停止期間中に汚水浄化システムを設置しなければ工場閉鎖処分の可能性まであるという。

ヤンゴン市内の工業地帯にある工場の多くは、縫製業、エビ・魚用保冷倉庫、製材業、酒造業、伝統薬製造業などとのこと。

2013/07/22

ヤンゴンでBRTを試験運行

620万人都市ヤンゴン市の中心部における慢性的な渋滞は日ごとにひどくなっている状況だ。自動車の数が増えていることや、バイパス建設中のために車線が減少していること、場所や時間帯によって違法な駐停車が発生することなどが主な原因だ。

そこで721日付Myanma Alinnによると、ヤンゴン市ではBRTBus Rapid Transitを試験的に運行する計画を立てているらしい。BRTは日本ではあまり走っていないが、専用走行車線を走るバスのことだ。 

ミャンマーにおける一般庶民の移動手段はバスである。普通の路線バスは渋滞の中、何度も車線変更をしながら渋滞する車の間を縫うように走っている。専用車線を設けることでバスが渋滞に巻き込まれることがないようにするらしい。 

記事によると、先ずは車線の広いヤンゴン-ピー道路においてバス50台で、今年の10月か11月ぐらいから始めるという。 

現在、ヤンゴン市内には395路線、6,338台の路線バスが走っており、ヤンゴン市のあるヤンゴン管区にには自動車が25万台以上、バイクが58万台以上登録されているとのことだ。

2013/07/04

ヤンゴン、民営ガソリンスタンドに長蛇の列

ミャンマーで石油の販売はかつては配給制だったが、現在は民間企業が自由に販売している。配給制だった時代は石油を求めてガソリンスタンドに長蛇の列ができることは日常だったが、民営化以降はその光景は見られなくなった。

しかし73日付Myanma Alinnによると、その民営ガソリンスタンドに長蛇の列ができていたとのこと。原因は粗悪なガソリンを販売する業者が摘発され一時休業しているため、ガソリンスタンドの数が全体的に少なくなっているからという。

以前は一日に400英ガロン以上販売していたガソリンスタンドが、現在は6,000英ガロンまで売り上げが伸びているらしい。(いったいどれほどのガソリンスタンドが粗悪ガソリンを販売して摘発されたのだろうか・・・?) 

ガソリン価格は71日時点でオクタン価95ガソリンが1,070チャット/L(約107/L)、オクタン価92ガソリン880チャット/L、ディーゼル(普通)880チャット/L、プレミアディーゼル910チャット/Lだったとのこと。

2013/07/03

『ビジネスと生活の使えるミャンマー語』音声データ販売開始

拙著『ビジネスと生活の使えるミャンマー語』の音声データ(mp3)の販売をDLmarketにてダウンロード販売を開始いたしました。

読者の皆さまからの強いご要望、お問い合わせを上記書籍販売開始から多数いただいたため、急遽ご用意させていただきました。 

皆さまのミャンマー語学習にお役立てください。

ダウンロードはこちらから
『ビジネスと生活の使えるミャンマー語』音声データ(MP3)

2013/06/28

ミャンマーでの通信事業ライセンス、ノルウェーとカタールの企業に

ミャンマーで通信事業を行うための入札結果が発表された。628日付Myanma Alinnによると、ノルウェーに本拠を置くテレノールモバイル(Telenor Mobile Communications)とカタールのOoredooだ。日本は補欠としてフランス・テレコム・オレンジ(France Telecom-Orange)と丸紅の共同事業体が選ばれた。

入札価格が安く、有力視されていた中国企業は落選となった。外資の参入で通信環境の改善と価格の低下を期待したい。

2013/06/27

ミャンマー2013年4~5月貿易統計

627日付Myanma Alinnに出ていた今年度4~5月の貿易統計は以下のとおり。
(単位:百万米ドル) 


輸出(通常)     540.20
   (国境貿易)  180.40        
        合計 720.60 
輸入(通常)     897.79
  (国境貿易)  115.19
        合計 1012.98
5貿易収支   ▼291.38 

4~5月累計 
輸出(通常)    1050.97
  (国境貿易)   423.28
         合計 1474.25 
輸入(通常)     1644.93
  (国境貿易)   242.47
         合計 1887.40
4~5月貿易収支 ▼413.15
(ミャンマー中央統計局調べ)

格安SIMカード、転売で30倍以上に

現在ミャンマー政府は携帯電話の普及を図るために、1,500チャット(約150円)のSIMカードを抽選方式で販売している。

626日付Myanma Alinnによると、その抽選方式は地域によって異なり、応募資格が地域によって世帯であったり、身分証明書を持つ者であったりしているそうだ。そのため、ひとつの世帯で何個も当選してしまうと転売する者が出て、その転売価格は25,00050,000チャット(約2,5005,000円)にまでなるという。 

1,500チャットで入手できたSIMカードが50,000チャットにまでなるというと、いい儲け話でもある。ヤンゴンの店舗で焼き飯を食べるとだいたい1,500チャットぐらいだ。当然のこと転売目的で抽選に応募する者も出てくる。昨年この格安SIMカードが登場する前はSIMカードが安くなったとはいえ20万チャット(約2万円)以上もしていたことを考えると、5万チャットの価格がつくのも頷ける。

2013/06/17

バガンでも無料WiFiサービスの提供広がる

ミャンマー最大の観光地であるバガン遺跡の観光拠点ニャウンウーでは、これまで外国人観光客をターゲットにWiFiの無料サービスを行っていたが、最近では地元の若者をターゲットにWiFiの無料サービスを提供する喫茶店が増えてきているそうだ。

6月17日付Myanma Alinnによると、このところ携帯電話の価格が安くなり、若者のあいだでAndroidスマートフォンでインターネットを利用することに関心が集まっている。そのため、ニャウンウーのある喫茶店オーナーによると、以前はサッカー中継や音楽を流すのが人気だったが、現在はWiFiが流行しているという。いまは喫茶店にスマートフォン片手に1人でやってきてインターネットを楽しむ若者が増えているらしい。WiFiが飲食客にとって魅力のひとつとなっているとのことだ。

現在、通信大手Red-Linkがバガン遺跡のアーナンダー、シュェサンドー、シュェズイーゴウンなどの寺院、ニャウンウー空港など利用客の多い場所でWiFi
Hotspot Zoneとして無料で提供を行っており、その他、飲食店でも増えつつあるようだ。

2013/06/15

タタの1トン新車トラック

6月15日付Myanma Alinnに出ていたタタモータースの広告だが、1トン積載用トラックの新車が600万チャット(約60万円)から。車種はTATA
Super Ace、ディーゼル車、1年もしくは3万キロの保証付。

ミャンマーではトラックの荷台に荷物を積むだけでなく、改装して人も運ぶ。学校や会社の送迎などに利用するため小型のトラックは需要がある。

2013/06/14

現ヤンゴン国際空港のグレードアップ・拡張工事

6月14日付Myanma Alinnによると、現在のヤンゴン国際空港の利用者は年間2.5百万人、2015年には5.5百万人が予想されている。

そのため、先ずはヤンゴン国際空港にある国内線待合室をグレードアップして2階建てにする計画で、日本企業が請け負う。また同時に駐機場の拡張も行われる。

2013/06/11

『ビジネスと生活の使えるミャンマー語』ミャンマーのジャーナル紙で紹介

今年3月に出版した拙著の日本人ビジネスマン・駐在者向けのミャンマー語会話学習本である『ビジネスと生活の使えるミャンマー語』(Amazon.co.jpで販売中)が、64日発行のミャンマー全国版ジャーナル紙、POPULARの別冊特集号で紹介された。

本書の挿絵はミャンマー人漫画家が描いており、インタビュー時にミャンマーの漫画を好きかどうかという質問を受けた。ミャンマーでは長く続いた悪政のおかげで風刺漫画が盛んだ。ちくりと皮肉の効いた風刺漫画をみると市民が政治や社会についてどう考えているのかがよく分かり面白い。


2013/06/05

6月4日のテインセイン大統領の国民向けラジオ演説

アメリカへの公式訪問時に現在行っている改革をまだ信じられないという人々に会ったという内容から始まり、この改革を成功させるためにはミャンマーが国際社会に加わって関係を持つことが重要であると述べた。また日本の総理訪問に触れ、日本の援助・協力により双方とも利益を得ることができるだろうと言及した。

次に現在の改革について国民に伝えたいと訴えかけ、経済のシステム・組織改革、農業従事者への小規模融資、全政治犯の釈放、(宗教)衝突の沈静化の継続、サイクロンなど自然災害への備え、カチン族KIOとの和平協定について述べた。

一般のミャンマー人と話していると、みなそれぞれ現政権にある程度の懐疑心は持っている。長年続いた政治への不信感が根強いのと、市民が直接接する末端の役人たちまで改革が行き渡らず旧来の悪習が残っていること、富裕層でない一般市民はまだ変革の利益を享受できていないことなどが主な理由のように感じる。しかし、これから良くなると希望を語る人は多い。

国を大きく改革するには時間がかかる。改革には国民の協力も必要で、協力を得るには信頼が必要だ。ミャンマーが国際的に認められるということは経済的利益だけでなく国民から信頼を得るという意味が大きい。

2013/06/01

ヤンゴン環状線の収支

ヤンゴンには市内を大きくぐるっと一周する環状線がある。ミャンマーでは電気が安定供給されていないため、電車ではなくまだディーゼルの列車だ。その環状線の収支について6月1日付のMyanma
Alinnに載っていた。

ヤンゴン環状線の1日の利用者数は約3,000人。1日の売り上げが400万チャット(約40万円)余り。1日に使用するディーゼルが1,895英ガロン(約8,600リッター)。1ガロンを3,500チャットで計算すると6,632,500チャット(約66万円)。売り上げから燃料費を差し引いただけで257万チャット(約25万円)の赤字だ。この赤字を他のヤンゴン-マンダレー線などの売り上げで補っているという。

現在、日本の協力も得て近代化を計画しているとのこと。

2013/05/30

コピー商品の取り締まり

ミャンマー第二の都市で内陸に位置するマンダレーは中国の影響の大きい都市だが、5月30日付Myanma
Alinnによると、そこで登記していたある企業がアメリカのキャラクター「Tom and Jerry」に酷似したキャラクターの絵および「TOM
and JERRY」の文字(前面)、「HONG KONG TOM and
JERRY」の文字と傘の絵(裏面)がプリントされた傘とレインコートをマンダレーとヤンゴンの店舗から全国へ販売していた。それをこの度、これらコピー商品の使用を止めさせるため、政府が制定中の法律によって起訴したという。

ミャンマーの街にはコピー商品が溢れているため経済の国際化とともに取り締まりが急がれる。国内で作られるのものもあるが、中国などの国境から流入してくることも多い。今回のケースは知的財産権に関する法律が制定中にもかかわらずそれに先行した形となった。

2013/05/26

日本が支援するミャンマーのインフラ

安部総理がミャンマーを訪問しミャンマーのインフラ改善へ支援を表明したが、ミャンマーのインフラについて日本の方はどれぐらい知っているだろうか?もちろんミャンマーで発電機のある高級なサービス付きアパートメントやコンドミニアムで生活すればそれほど日常生活で不便を感じることはないが、家賃は日本以上にかかる。

数年前に比べて停電は少なくなったものの、今でも毎日のように停電する。突然停電し、数十分ほどで電気がくることもあれば、何時間も来ないこともある。最大都市のヤンゴン市内でもだいたいどこもこんな感じだ。これでも数年前より格段に良くなったため、このごろミャンマー人は電気についてあまり文句を言わなくなった。数年前までは電気が半日、一日来ないこともざらで、みな生活に疲れ気味だった。

水については一般アパートは各部屋ごとにタンクと水槽があり、いったんポンプアップしてタンクと水槽に水を溜め、それを日常の洗物や水浴びに使用する。飲み水はタンク入りの浄水を購入する。ポンプアップするには電気が必要なため停電しているとポンプアップできない。また地域によっては供給が不安定なところもある。当然いつ水が来ていつ水が来ないかなんて分からない。

雨季になるとゲリラ豪雨的な激しい雨が1日に何度も降る。すると途端に道路が冠水する。ヤンゴン市内はけっこう起伏、高低差があるが、ところによってかなり水が溜まり、バスや車が故障し立ち往生することもよくある。ただ、雨が止むと意外と早く水は引くことは引く。

通信インフラはこの1~2年で急激に良くなり、金額が下がった。かつては何万円も支払わないとインターネットを使用する環境を作れなかった。現在は接続が途中で切れることはなくなったが、通信速度が遅い。10Mb程度のPDFファイルをダウンロードするのに日本では一瞬だがミャンマーでは何分もかかり、仕事の能率が格段に下がる。携帯電話も通信状態が悪いことも多く、聞こえるかと何度も尋ねながら話すこともしばしばだ。

ヤンゴンの市内交通も渋滞が多く移動が困難だ。特に最近はひどい。先日日本企業が加わって建設し開通したバイパスのおかげでその近辺の渋滞は緩和したが、その他の地域はどこも渋滞している。市民の足はバスと車で、年々車の数が増え、道路が飽和状態だ。市内を回る列車はあるが、遅くて汚いということで利用者は少ない。

この生活環境が今後数年で、日本の協力を得てどのように変わるのか期待したい。ちなみに本日の停電は3時間、長かった・・・。停電時、バッテリー駆動時間の長いパソコンはありがたい。

2013/05/04

乾季最後の時期、水不足続く

ミャンマーの季節は乾季と雨季に大きく分かれる。乾季の前半は涼季で後半は暑季だ。つまり乾季で川の水や井戸が干上がるころに最も暑い時期を迎える。今がその暑季である。

場所によっては日中、40度を越えるところもあり、当然のことながら毎年この時期になると水不足が起きる。新聞紙上でも毎日のように水不足を伝え、政府や民間有志からの無償給水が行われている。 

54日付のMyanma Alinnによると、水不足の地域は特に暑い内陸地域(ザガイン管区、マグェー管区、マンダレー管区)で8,042村、その他の州と管区で15,183村あるとのこと。合計で約23千村にも上る。 

また電力は水力発電に頼っているため、この時期は一年で最も停電が多い。やっとこのごろ雨の予報が出るようになってきたが、水不足を解消するほどにはまだ至っていない。毎日どしゃ降りが続く雨季は鬱陶しいが、この時期だけは雨季が待ち遠しい。

使用に危険がある故障車は税関で没収

ミャンマー政府は国内を走る年数の経った車を新しくするため、2011年から規制を緩和して国民に買い替えを促してきた。54日付Myanma Alinnによると、税関の数字で2013115日までに126,733台が輸入されたという。

それまでは使用に危険のある故障車は含まれていなかったが、今年115日以降は状態によっては使用者にとって安全でないものや危険なものが含まれていたという。そのため税関では外国から輸入する故障車について、使用者にトラブルや危険が及ぶことを理由に輸入不許可車として没収するとのこと。

2013/05/01

ヤンゴン、ダウンタウンの植民地時代建物、5つ星ホテルに

ミャンマーには英領植民地時代の建物がたくさん残っている。しかしその保存状態は悪く、修復には膨大な経費がかかる。そこでミャンマー政府はこれらの建物を歴史的建築物として保存するとともに商業利用する計画を進めている。

その一環として51日付Myanma Alinnによると、ヤンゴンのダウンタウンにある合同庁舎は約5千万米ドルをかけて5つ星ホテルにするという(この入札は201112月に新聞紙上で公募され行われた)。この合同庁舎建物は1927年から1931年に建設されたそうだ。ホテルの名前はThe State Houseとし、シンガポールの会社がデザインを行う。客室239室、従業員600名以上、2年以内の開業を目指す。 

国に対する土地使用料14.4百万米ドルは2012年すでに支払い済み、開業後はホテルから得られる利益から毎月5%を国に支払わなければならないとのこと。

2013/04/23

ミャンマー、投資期待による土地価格の上昇つづく

423日付Myanma Alinnによると、ミャンマーの新年が終わっても不動産価格は落ちる様子がないようだ。一因に米ドルと金相場の下落傾向から投資資金が不動産に向かっているということもあるようだが、外資の不動産需要に対する期待は依然として高い。

住宅の場合、アパートより現在はコンドミニアムが人気で、外国人向けは購入より賃貸が多いという。しかし工場団地の外資向け住宅は購入が多く、価格が1年で3倍以上になったそうだ。

現在、コンドミニアムが7,000万チャット(約800万円)以上、一軒家が37億チャット(約3,400万円~8,000万円)ぐらいで取引されているとのこと。 

既にけっこうな価格である。もちろんミャンマーの住宅はどれも広いのではあるが・・・。

2013/04/04

ミャンマー政府、格安の携帯SIMカード発行

電話の普及率を現在の10%程度から50%に上げるため、ミャンマー政府が出した計画のひとつが携帯SIMカードの価格を下げることだ。

これまで販売されていた携帯SIMカードは2万円以上していたが、44日付のMyanma Alinnの記事によると、2013424日から1,500チャット(約150円、300チャット分の通話料を含む)のSIMカードが登場するという。

但し、回線を維持するには2ヶ月あたり通話用のプリペイドカードが最低5,000チャット(約500円)分必要で、2ヶ月以内に使い切れなかった通話料は自動的になくなる仕組みだ。また、プリペイド料金がなくなってから15日以内に追加チャージしないと回線が閉じられるという。 

この格安SIMカードは、先ずCDMA-800MHz用から始め、5月にはGSM2.75G)、WCDMA3G)用のSIMカードも発行するという。

2013/04/01

ミャンマーの公務員給与額

2013年4月1日付で財務税務省から出された公務員給与額は以下のとおり。  

(単位チャット、10チャット≒1円) 
1等級 55,000-60,000 (旧35,000-40,000 
2等級 61,000-66,000 (旧41,000-46,000 
3等級 67,000-72,000 (旧47,000-52,000 
4等級 73,000-78,000 (旧53,000-58,000 
5等級 79,000-84,000 (旧59,000-64,000 
6等級 85,000-90,000 (旧65,000-70,000 
7等級 120,000-130,000 (旧100,000-110,000 
8等級 140,000-150,000 (旧120,000-130,000 
9等級 160,000-170,000 (旧140,000-150,000 
10等級 180,000-190,000 (旧160,000-170,000 
11等級 200,000-210,000 (旧180,000-190,000 
12等級 230,000-240,000 (旧210,000-220,000 

日給:1,700 (旧1,100)+残業1,000  
年金:現行+20,000/月~  

国軍と在外公務員に関しては別途規定
  
(Myanma Alinn 4月1日付)
 

2013/03/26

小学校で牛乳を配給

ミャンマーでは給食制度はないが、326日付Myanma Alinnによると、健康増進と登校を促すため小学校で3年間牛乳を与えるとのことだ。この計画はスウェーデンに本拠を置く会社の協力により行われるとのことで、2013-14年度学期から開始される。ヤンゴン、マンダレー、ネーピードーの小学生約4万人に、毎日200mlの牛乳が与えられるそうだ。

ミャンマーでは練乳は別として乳製品をそれほど摂取しないが、乳製品が健康に良いことはメディアを通じて政府も国民教育を行っており、畜産業の振興にも力を入れている状況だ。

戦後コメ文化の日本でパンと牛乳の給食が導入され、まず子供達がパンや乳製品の美味しさを知った。子供が大人になり今や日本人はパン大好き国民となり、小麦を大量に輸入している。乳製品もすっかり日常の生活に定着した。ミャンマーでも子供達がまず乳製品の美味しさを知り、いずれ乳製品の大市場へと変わっていくことだろう。

2013/03/22

ミャンマーの外貨兌換券、2013年4月から段階的廃止

ミャンマーでは長いあいだ、現地通貨のチャット、米ドルとともに外貨兌換券(FEC)という通貨が使われてきた。かつては空港で米ドルからFECへの強制両替が行われたり、FECでしか支払いができないものがあったりと、政府に直接外貨が入る仕組みになっていた。

しかし現在のミャンマー政府は国際的な経済・金融システムを目指して昨年より為替制度を管理変動相場制に変更し、国内の両替規制を緩和してきており、FECはもはや不要なものとなっていた。  
322日付Myanma Alinnが報じたミャンマー中央銀行からの公告によると、201341日から630日の90日間に銀行口座に米ドルかチャットで入金するという方法で両替・回収し、71日からは使用できなくなるとのこと。ただし、この期間に何らかの事情で両替できなかった者は201371日から2014331日まで特例として両替が可能だが、理由が必要とのこと。20144月以降は完全に両替ができなくなる。

2013/03/13

Sunkistブランド飲料、ミャンマーで生産販売

313日付Myanma Alinnによると、Sunkistブランド飲料をMyanmar Beverage Companyがミャンマー国内で生産し、Myanmar Distribution Groupが販売を行うとのこと。

中国元、タイバーツ、ミャンマーで両替可能に

313日付Myanma Alinnによると、ミャンマー中央銀行は今月末ぐらいに中国元とタイバーツを合法的に両替できるよう準備しているという。現在、銀行での両替はユーロ、米ドル、シンガポールドルが可能だ。  

これまでタイ国境の町ミャワディー、タチレクなどではタイバーツがミャンマーチャットの代わりに使われており、非合法な両替により問題が起きていたとのこと。中国元とタイバーツの両替が合法化すれば銀行での両替が可能になる。

2013/03/12

ミャンマー産の米、日本へ

312日付Myanma Alinnによると、ミャンマー産の米は韓国、ロシアの他、日本へも今年5月初めに初めて輸出されるそうだ。今回日本に輸出される米は5千トン、1トン当たりUS$490で入札され、三井物産が購入するという。

ミャンマーは2012-13年度、米の輸出目標を150万トンとしており、現時点で160万トンを超えているとのこと。

2013/03/11

『ビジネスと生活の使えるミャンマー語』Amazonにて販売開始

拙著『ビジネスと生活の使えるミャンマー語』をAmazon.co.jpにて販売を開始しました。ビジネスと駐在者向け、初級~中級のミャンマー語会話本です。ミャンマーに行かれる際はぜひお役立てください。

 

2013/02/28

2011、2012年度ミャンマー投資状況

228日付Myanma Alinnに載っていた昨年と今年の投資件数・額などは以下のとおり。
意外と国民投資が金額的に増えている。

20114月~20123 
[国民投資]
許可事業:34  
投資額:242,230.170(百万)チャット(約240億円)   
雇用:9,175

[外国投資]
許可事業:13  
投資額:4,644.460(百万)米ドル(約4,200億円)  
雇用:7,279

20124月~20131  
[国民投資]  
許可事業:43  
投資額:3,837,863.580(百万)チャット(約3,800億円)  
雇用:11,475

 [外国投資]   
許可事業:78  
投資額:1,142.965(百万)米ドル(約1,030億円) 
雇用:57,047

2013/02/12

乳・乳製品製造業にオランダ企業が投資

ミャンマーでは乳製品の価格が他の食品物価に比べて高い。チーズは輸入品なので高いのは分かるが、ヨーグルトは輸入品以外にも、売り歩きの行商人や露天商が自家製ヨーグルトを売っており、そのヨーグルトでさえも日本の価格と同じぐらいか、若干高い。

 新聞や健康雑誌などで乳製品が身体にいいという記事を最近よく見かけるので、ヨーグルトやチーズの存在を知っている人は多いが、実際あまり食してはいない。ただインド系の人たちはヨーグルトを食べる習慣があるのでインド人の多い居住区あたりにはヨーグルト売りは多い。
 
211日日付のMyanma Alinnによると、オランダの乳業企業 Royal Friesland Compina が先ずはミャンマーでモデルとなる乳牛の牧場を作り、酪農家に教育を行うという。ミャンマーの乳製品が安くなるのに一歩近づいたかもしれない。

2013/02/01

ヤンゴンのガソリン価格

Myanma Ahlinn 21日付によると、1月はガソリン価格が落ち着いていたそうで、ヤンゴン中心部のある民営ガソリン店での131日の価格は1リッターあたり、ガソリンKs.815、ディーゼルKs.860、ハイクラス・ディーゼルKs.890だったそうだ。現在の為替でディーゼルが約90/Lほど。物価水準からすると燃料費は高い。  

先日、ミャンマー人の知り合いが燃費を比較しながら中古車の購入を検討していた。その理由がよく分かる。

2013/01/16

狂犬病ウイルス感染率

ヤンゴンの街中で野良犬を見かけることが多い。どちらかというと性格は温厚で、人通りの多いところでも平気で寝そべっていたりする。

しかし、大人しいからといって手を出すのは禁物だ。1月15日付Myanma
Ahlinnによると、ミャンマー国内の75%の犬が狂犬病ウイルスを持っていると驚きの数字が出ていた。この数字は政府の畜産・検疫局が概算した数字とのことだ。

狂犬病は日本ではもう馴染みの薄い病気だが、死に至る怖い病気だ。先ずは犬や猫に手を出さないこと。もしも犬、猫に噛まれた場合、傷口を舐められた場合は、ともかく最寄の診療所に行くことをお勧めする。

2013/01/11

auのローミング状況

昨年2012年12月からauでもミャンマーでのローミングサービスが始まっているので、ヤンゴンで接続を試みているが、どうも使えないようだ。ヤンゴン市内、特にダウンタウンで行く場所ごとに試しているが、殆ど圏外になる。

au以外のキャリアは分からないが、出張でミャンマーを訪れる際は、まだローミング以外の連絡方法も必要のようだ。