2012/12/25

VISAカードもミャンマーでキャッシングが可能

先行しているマスターカードに続き、VISAカードでもミャンマーでキャッシングが可能になった。  

1224日付のMyanma Alinnによると、1221日からCB BankATM24時間、1回につき30万チャット(約3万円)、1日に100万チャット(10万円)まで現地通貨でのキャッシングができるようになったとのこと。  

CB BankATMはヤンゴン国際空港をはじめ、ホテル、ショッピングモール、商店、大病院など39ヶ所に合計45台が設置されているそうだ。

 これでマスターカードもVISAカードもCB Bank ATMでキャッシングが可能となった。欲を言えば次はJCBに頑張ってもらいたい。

2012/12/22

ヤンゴンの不動産価格の上昇率

1221日付のMyanma Alinnに不動産価格高騰の記事が載っていた。面白いのは2011年の価格と比較してどれぐらい高騰しているかを示した数字だ。

ミャンマーの普通のローカルアパートはエレベーターがないため高層階は不人気なのだが、そのあまり人気のない9階の物件が、2011年に約140万円だったのが、2012年には約195万円となり、人気の下層階は2011年に約1000万円だった物件が約1600万円に上昇しているという。だいたい1年で3050%の上昇率らしい。まさに不動産バブルだ。ミャンマーの建物は質を考えるとどうも高いと感じる。

特にヤンゴン中心部が郊外に比べて人気のようで、外資などの需要からコンドミニアムやハイクラスのアパート、工場用地など今年は相当値上がりした。今後暫くは値上がりが予想される。

2012/12/09

マスターカードでのキャッシングについて続報(その2)

12月7日付のMyanmar Alinnによると、CB
BankのATMで引き出せる金額は1日に100万チャット(約10万円)、1回につき30万チャットの引き出しが可能とのこと。前回このブログに書いた時は1日3回までの引き出し制限があったため1日90万チャットまでの引き出しとなっていたが、今回の記事では100万チャットまでとなっている。若干の差だが真偽のほどはわからない。

しかし、11月15日の開始から現在までの累計で9600万チャット(約960万円)がマスターカードでキャッシングされたとのこと。現在まだクレジット払いはできないが、来年の1月ぐらいにはホテルなどでクレジット払いできるよう進めているらしい。

マスターカードでキャッシングできるCB Bank
のATMは銀行の支店、ヤンゴン空港を含め、ショッピングセンターなどミャンマー全国39ヶ所にあるとのことで、先日ヤンゴンのダウンタウンにあるCB
Bankの両替所よこにもATMがあった。便利になったものである。

2012/12/07

ミャンマーのマンゴー、アメリカの見本市へ

先日、オバマ大統領がミャンマーを訪れ、ミャンマー製品の米国輸出が解禁になって間もないが、先ずはマンゴーが太平洋を渡るようだ。

12月6日付のMyanma Alinnによると2013年7月に米フロリダで開催されるマンゴーの見本市へミャンマー産のマンゴーが出展されるという。7月はミャンマーマンゴーのシーズンとしては少し遅い時期なのでミャンマーの中北部産のマンゴーを出展するとのこと。

私はマンゴーの専門家ではないが、ミャンマー産マンゴーの品質はけっこういいと思う。日本の輸入マンゴーは早摘みされたものなので、南国で食べる完熟マンゴーとは比べ物にはならないのだが、タイや他の国と比べてもそれほど遜色を感じない。日本にも輸入してほしいものだ。

余談だが、果実ではミャンマー産のアボカドもけっこういい。ミャンマーではこの時期、甘いジュースにして飲む。雨季のマンゴー、乾季(涼季)のアボカドが私のお気に入りである。

2012/11/28

進むヤンゴン郊外の開発

現在ヤンゴン中心部はどこも車が渋滞し、住宅価格が高騰しているのだが、官民ともにヤンゴン郊外の開発を進めている。そのひとつとして11月27日付のMyanma
Alinnに載っていたのが、ヤンゴン中心部から南東に川を渡ったところにあるタンリン地区の開発だ。

シンガポールを本拠とするYoma Strategic
HoldingsとミャンマーのFMIグループが計画しているそのタンリン地区の宅地開発の概要は、420エーカー(約170万㎡)の土地に6~8年がかりで9千戸の住宅を含み、学校や病院、娯楽施設などを備えた国際レベルの街を造るという。

一体、5年後、10年後のヤンゴンはどうなっているのだろうか?今はこじんまりとした都市だが、郊外まで開発が進み、拡大していることは間違いない。もしかしたら旧市街、新市街のような都市の形になっているかもしれない。ヤンゴン中心部は英領時代の建物が数多く残っている。川や運河もあり、上海の外灘のような町並みになるのではないかと想像する。何れにせよ、新旧良いところを残した、魅力ある街になってほしいものだ。

2012/11/26

マスターカードでのキャッシングについて続報

11月25日付Myanma Alinnによると、マスターカード、Maestro、Cirrusカードでのキャッシングについて、CB
BankのATMで24時間、1回に付き30万チャット(約3万円)まで、1日3回までの引き出しが可能で、手数料が1回5000チャット(約500円)かかるとのことだ。

ヤンゴン以外にマンダレー、バゴー、タウングー、ピンマナーなどにあるCB BankのATMでキャッシングが可能らしい。

2012/11/23

マスターガードでキャッシングが可能

21日付ミャンマータイムズ(ミャンマー語版)によると11月15日からCB
BankのATMでマスターカード、MaestroおよびCirrusカードで現地通貨によるキャッシングができるようになったとのこと。CB
BankのATM、空港を含む36ヶ所でキャッシングが可能だそうだ。

VisaやJCBカードも近いうちにサービスが行われると思われる。現地通貨の引き出し手数料や為替レートがどうなっているのかは分からないが、両替の手間が省けるのはありがたい。

2012/11/15

第1回ヤンゴン国際マラソン

来る2013年1月27日、ヤンゴンで初めての国際マラソンが開催される。11月14日付の国営紙によると、42㎞と10㎞のコースがあり、国内外の参加ランナーは約1,000人ほどになる予定。42㎞の賞金は1等が2,500ドル、10㎞の賞金は1等が800ドルとのこと。参加費は5,000チャット(約500円)で、福祉団体などに寄付されるそうだ。

かつて韓国人の知り合いが、日本のマラソンは沿道の応援が温かいと言っていたことを思い出した。ミャンマー人の応援の様子は一体どうだろうか?まだ娯楽の少ないミャンマー、千人もの人が走り抜けるとなるとお祭り騒ぎになるのだろうか?それとも厳重に規制されるのだろうか?

何れにしてもヤンゴンで初の国際マラソン大会、楽しみだ。

2012/11/14

ミャンマー外国投資法(2012年11月2日制定)の全文和訳

先日制定されたミャンマー外国投資法の全文和訳を『DL-MARKETにて販売を開始いたしました。ビジネスのための参考資料としてお役立ていただければ幸いです。

なお、本法律の解釈についてはお問い合わせをお受けできませんのでご了承ください。

2012/11/10

ヤンゴン国際空港のサービス業務、民営移管へ

航空運輸局によると、ヤンゴン国際空港のサービス業務を民営移管することに関して、国内企業を優先するとのこと。しかし、応募は入札方式で国内、国外ともに受け付ける。選考には日本の専門家などを含むコンサルティング・グループとともに行うという。

現在のヤンゴン国際空港は収容能力が年間2.7百万人だが、2012年はおおよそ2.8百万人になるとみられる。更に来年は5.5百万人が予想されているため、空港の拡張が必要である。許可を得た企業は建物の建設から管理、補修維持まで責任を追う。

ヤンゴン国際空港以外のその他の空港も全てサービス業務を民営移管するが、ヤンゴン国際空港に関して、国内企業は現在国際空港を運営している外国企業と共同申請しなければならない。国内全ての空港のサービス業務は半官半民もしくはジョイント・ベンチャーでの運営を許可するとのこと。

今月25日から12月5日まで予備選考が行われ、2013年2月に入札が行われる。最終的には2013年3月中にはサービス業務が全て民間に移管されるとのこと。(11月9日付Myanma
Alinn ミャンマー語版)

省名変更

第1回連邦議会、第5通常国会において、省名変更が可決した。通信郵便電報省(Ministry of Communications, Posts
and Telegraphs)は通信情報技術省(Ministry of communications and Information
Technology)、労働省(Ministry of Labour)は労働雇用社会保障省(Ministry of Labour,
Employment and Social Security)と名称変更された。(11月9日付Myanma Alinn ミャンマー語版)

2012/11/04

籐の輸出、製品より素材が好調

ミャンマーの籐業界組合組合長によると、籐製品の業界は家内工業的に行える業界のため、貧困削減策のひとつとなり、素材よりも製品を優先すべきとするが、籐の海外への輸出が製品より素材が伸びているという。

籐製品を木製品などと輸出する場合、森林省が検査を行うため、輸出に時間がかかる問題を解決する必要があるとのこと。需要のある国外へ輸出するには納期に間に合わなければ他国との競争に勝てない。籐の産出国はミャンマーの他、ASEANではマレーシアとインドネシアだ。

インドネシアは今年1月から籐素材の輸出を禁止し、製品のみの輸出を行っている。ミインドネシアは籐製品を年間5億ドルを輸出するがミャンマーは1~2千万ドルしかないと籐の専門家はいう。

4月から10月までの籐素材の国外輸出は3千トン余り。製品は30トンしかなかったそうだ。籐素材の多くは中国向けで、次に多いのがバングラデシュとのこと。(11月2日付Myanma
Alinnミャンマー語版)

2012/11/01

ダディンチュッ満月祭

10月30日はミャンマーの公休日で、ミャンマー暦の新年に次ぐ大きな祭りの日だった。ミャンマー暦の12の月毎に仏教に根ざした祭りがあり、最近では地方でしか行われないものもあるが、このダディンチュ満月祭は全国規模で盛大に行われる祭りのひとつである。前夜祭から後夜祭まで3日間祭りが行われる。

この日は仏陀が天上から人間界に戻ってくるとされているため、寺院や仏塔などの仏教施設をはじめ、各家庭や路上に至るまで、ロウソクや小さなお皿のオイルランプ、提灯、電飾などを灯し、仏陀の帰路を明るく照らす習慣がある。

蛍光灯や電飾は少々情緒に欠けるが、寺院などで無数のロウソクやオイルランプに火を灯した光景は幻想的である。

この頃、季節も変わり雨季から乾季に入る。そしてこの日を境に仏教徒は旅行や結婚などを行って良しとされるため、この時期はあちこちでバーゲンやイベントが催され、人々の気持ちも天気と同じく晴れやかになる。半年続いた雨季が終わり、人々が活発に動き出す時だ。

2012/10/26

34階建てコンドミニアム2015年に完成予定

ミャンマーで一番高い建物となる34階建てのコンドミニアムがインヤレーイク湖畔に建設されるという。マンダレー・ゴールデン・ウィング建設が6千万米ドルで2015年の完成を目指し建設する。建物の名前はダイヤモンド・インヤー・コンドー。2エーカーを超える政府払い下げの空き地に来月11月初めから建設を始めるらしい。
部屋数は406室、560台分の駐車場、居住者用のサービスフロア、ミニシアター、屋外グラウンド、プール、ジム、ミニマーケットなどを備える。 部屋の多くは3千平方フィート(約280㎡)の4ベッドルームで、一番狭い1ベッドルームの部屋でも850平方フィート(約80㎡)ある。最上階には1室1万平方フィート(約930㎡)の広さのペントハウスを4部屋作るとのこと。 このコンドミニアムの所有者は国内資本とのことで、販売先は国内外。L字型に3棟連結させた建物はタイ資本のProcess
Myanmarグループがデザインしたもの。建築の品質に関してはタイのAIT大学の専門家が協力する。 部屋の販売は11月1日から。銀行借入での購入も可能にする予定だそうだ。 現在のところミャンマーで一番高い建物はビル、ホテル含めて22階建てとのこと。(10月25日付ミャンマータイムズ、ミャンマー語版)



2012/10/22

工業団地の廃棄物

このところミャンマーのメディアや日常会話で規則や規律、マナーといった言葉をよく耳にする。発展するには国民にそれらが備わっていなければならないということのようだ。

工業団地のゴミ廃棄についても同様で、工業団地で定められている規則に従わない工場はライセンスを取り上げることにまで発展するようだ。工業団地では大気汚染物質、水質汚染物質、土壌汚染物質の三種類に分けて現在廃棄物検査をしている。

ヤンゴン管区の工業団地は合計24ヶ所あり、そこで操業している工場は3,562工場ある。それらで出る廃棄物は1日に109.4トン。ヤンゴン市発展委員会はこれまで83工場を検査したとのことだ。(10月21日付Myanmar
Ahlin)

2012/10/14

携帯のインターネット接続

ここ数ヶ月のことだが、携帯のインターネット接続がかなり良くなった。数ヶ月前までは、インターネットに接続できないことが多かったり途中で切れたが、今は繋がらないことがなくなった。スピードも若干速くなったように感じる。

何週間か前だったかにビルの屋上に携帯電話用アンテナを設置しているというニュースがあったので、その恩恵なのだろうか。恐らくヤンゴン市内でも場所によって接続の良し悪しはあると思われるが、幸い私のネット接続環境はかなり改善した。ただ、容量の大きいWEBサイトは表示にかなり時間が掛るのは以前と変わらない。

携帯電話のインターネット回線の接続が良くなると、パソコンを携帯に繋いでインターネット接続したりファイルを送ることができるようになるので、仕事の場所を選ばなくなる。

ミャンマーのネット環境は一気に便利になりつつある。数年前では考えられなかったことだ。

2012/09/23

ISBNコード登録が可能に

ミャンマーで出版される書籍にもISBNコードの登録ができるようになった。(923日付Myanmar Ahlinミャンマー語版)

ISBNコード(International Standard Book Number)は世界共通の番号で、書籍ごとに付与されている。日本でも書籍を流通させるには、このISBNコードとJANコードの登録を要求される。書籍の裏表紙や奥付に印刷されているあの数字やバーコードのことだ。

ミャンマーで出版された書籍が世界で流通できなかった物理的な要因は、このコード登録ができないことにあると私はつねづね思っていた。それが今回ようやく登録が可能になり、ミャンマーの書籍も検索、流通が容易になる。

2012/09/20

NTTドコモがミャンマーでローミングを開始

これまで日本の携帯電話各社はミャンマーへのローミングを行っていなかったが、919日より先ずNTTドコモが開始したとのこと。

ミャンマーでの着信: 220/
ミャンマーからの発信: 
    (日本、その他の国向け)280/
    (ミャンマー国内)80/

SMS:不可
対応ネットワーク:3GGSM

それにしても高い・・・。

NTTドコモ:http://www.nttdocomo.co.jp/service/world/roaming/area/view.html?country=4140000&term= )

2012/09/08

安全上、外国人の立ち入りを制限する地域

ホテル観光省からの情報によると安全上の理由で、以下の地域へ外国人の立ち入りを当面認めないとのことだ。ヤカイン州のシットェー、ミャウッウー、ウェーターリー、マハムニ・パゴダ、シャン州のマインラー。ヤカイン州は数ヶ月前から宗教対立が表面化している。

これまで外国人旅行者の立ち入りが認められていない地域は、モゴック、ネーピードー(ビジネス目的では可)、ピンマナー、レーウェー、タッコウン、カチン州、バモーなどであった。(ミャンマータイムズ97日付ミャンマー語Web版)

2012/09/06

外国投資法改正法案の修正状況

ミャンマーでビジネスチャンスを伺う企業にとっては関心の高い外国投資法の改正であるが、なかなか議会を通過しない。

ミャンマータイムズ93Web英語版によると、現在行われている修正は、農業、漁業、畜産、製造の一部を含む、重要13分野に対する外資の参入を規制するものだそうだ。13分野に関しては外資比率を49%に抑え、ミャンマーのパートナー企業は比率を過半数以上とすること、事業開始の資本金額を外資は5百万米ドルから8百万米ドルとし、ミャンマーのパートナー企業は少なくともその資本金に応じた額とすることが含まれているらしい。

ジェトロも驚きを隠せないようだが、この改正にあまり大きな期待を寄せない方が良いかもしれない。

2012/09/02

洪水被害

ミャンマーの季節は乾季と雨季に分かれ、雨季は5月ごろから10月ごろまで約半年間続く。今年の雨量は平年より多いようだ。ヤンゴンでは毎日毎日呆れるほどの土砂降りとなり、気温は太陽が出ていない分だけ涼しいが、湿度が半端でない。洗濯物はすっきり乾かないのでアイロンが生活必需品となる。

当然それだけ雨が降れば冠水するところも出てくるし、河も氾濫する。ヤンゴンは比較的、冠水しても水の引きが早いが、ヤンゴンから近いバゴーやバテインなどの都市では河が氾濫して水害の被害も出ている。バゴーと言えば世界最大の値釈迦で有名だが、2016年中に完成を目指すヤンゴン空港に代わる新国際空港の建設予定地のあるところでもある。空港建設計画とともに、近隣には住宅や工場などの建設も予定されている。

昨年、アユタヤやバンコクが水害にあったのは記憶に新しいが、ミャンマーの治水も悪い。タイの二の舞にならないよう、土地の開発段階で治水対策を十分にやってほしいものだ。

2012/08/19

不動産価格、売買税増税で高騰に歯止めがかかるか?

このところ実質以上に高騰している不動産価格だが、それに歯止めをかけるため、今年8月11日から不動産の売買に課税される税金が15%から37%(内7%は印紙税)になった。

以前の15%は2007年8月からの税率だが、その前は57%。今回の増税で不動産価格の高騰が落ち着くとよいが、果たしてどうだろうか?

2012/07/29

ヤンゴンのローカルアパート

このところホテル代が高騰している。ビジネス客や観光客の増加に客室の供給が追いつかないため、ホテル代が高騰しているのだが、ホテルの質を考えると釣り合っていない。バンコクのホテルの方がよっぽど質が高くて安い。

私もホテル代高騰の煽りを受け、ヤンゴンで久しぶりにローカルアパートを借りた。もちろん不動産価格も近年高騰しており、アパート代も更新毎に家賃の値上げを要求される状況だが、いまのホテル代よりはまだマシだ。それにしてもローカルアパートの質は10数年前とほぼ変わらず、極めて粗雑である。

この粗雑感は、途上国の住宅事情を知らない方には何とも説明しがたいが、快適に住むには何かと手を加える必要がある。ミャンマーのアパートは一般的にコンクリートの打ちっ放しにペンキを塗っただけだ。部屋によっては床がフローリングではなくコンクリートのままのところもあるので、敷くものから手配しなければならない場合もある。その他、虫除けに網戸を付けるとか、扉がちゃんと閉まるように取り付け直すとか、配線工事が必要なこともある。

配線工事といっても特別な配線のことではない。今回など、入居して台所の電気を消そうと思ってもスイッチがなかった!ブレーカーを落とさないと電気が消えず、入居した夜は台所の電気を付けっ放しにして寝た。一体、前の入居者はどうやって暮らしていたのだろうかと思う。

もちろん、今回借りた賃料は外資系サービスアパートメントやコンドミニアムと比べると破格だが、ローカルの一般的なホワイトカラーには住めない金額だ。質と価格のどちらを取るかだが、いずれにしても不動産価格が落ち着くまでは質に伴わない高家賃を強いられることになる。

2012/07/19

ヤンゴン空港で商用アライバルビザ申請

先日、ミャンマー入国の際にヤンゴン空港で初めてアライバルビザを申請してみた。クアラルンプール経由でヤンゴンに到着したのだが、何とアライバルビザを申請したのは私1人だけ。そういえばビジネスマンらしき人はあまり乗っていなかった。

アライバルビザの受付カウンターはイミグレーションカウンターの右手手前にあり、1人のビザ申請に対して3人の担当官がそれぞれ役割分担して手続きしているようだった。もしビザ申請者が多ければおそらく手続きに時間がかかりそうだが、今のところ申請者は多くないようなのでスムーズにいきそうだ。もちろん乗客にビジネスマンが多ければ申請者も多い可能性はある。

ミャンマーでのアライバルビザの手続きは申請書類が整っていたため、質問もされることもなく数分で済んだが、意外なことにクアラルンプールで手間取った。エアラインのチェックインカウンターでミャンマーのビザがないためチェックインできないと言われ、ヤンゴン空港でアライバルビザの申請ができると説明したが、受け入れてもらえず。挙句、ヘルプセンターに回され、そこでも説明を余儀なくされた。そして、担当者がなにやらパソコンで調べ始め、なぜかミャンマー入国管理局に提出する書類のコピーを取られ、ようやくチェックイン手続きをしてもらえた。

そして荷物を預けるため元のカウンターに戻ってBoarding Passを見せると、またビザがないからダメだと言い出す始末。ヘルプセンターでOKがでたからBoarding Passを発行してもらったんだ!と主張すると、上司を呼びやっと荷物を受け取ってもらえた。

ヤンゴン空港での商用アライバルビザは今年の6月から始まり、まだ申請者が少ないためか、近隣国への周知が行き届いていないためか、意外なところで手間取る可能性がある。ミャンマーで手間取ることは覚悟の上だったが、まさか経由国でこんなに手間取るとは思わなかった。ヤンゴン空港でアライバルビザを申請される方は出国の際に余裕をもって空港に行かれたほうがいいようだ。

2012/07/15

廃車の行方

現在ミャンマーでは数十年以上経った古い車を新しくする政策をとっている。また、新車の価格が下がったため、古い車がどんどん廃棄されている。

その廃車の数は昨年から急に増えたため、廃車処理はいったいどうなっているのだろうかと思っていた。

714日付のMyanmar Ahlin(ミャンマー語版)によると、鋼を生産しているある工場へ毎日100台ほど運び込まれているらしい。一応、鉄のリサイクルはしているようだが、その他の素材のリサイクルや処理については記事からは不明だ。現在、ヤードに未処理の車が2万台以上あるというので、廃車処理は追いついていない様子が伺える。

2012/07/12

ピーナッツ油の価格

ミャンマーで物価の話をする際によく出てくるのもがガソリンとピーナッツ油だ。日本ではガソリンと牛丼といったところだろうか。ピーナッツ油はカレーなどミャンマー料理でよく使われ、その使用量も日本とは比較にならないぐらい多い。そのため価格の変化はミャンマー家庭の台所に大きな影響を与える。

そのピーナッツ油がこのところ高騰している。理由は中国向けの輸出が伸びているからだ。712日付ミャンマータイムズによると7月第1週に1.633kgK4,800(約480円)という記録的な高値をつけたらしい。因みに1キロあたりにすると294円。これは日本人の物価感覚でも高い。

これまで中国が大量に買い付けた影響でミャンマーの市場が高騰したことは何度かある。ミャンマーの生産規模はまだそれほど大きくないため、ピーナッツ油だけでなく、農作物、水産物など影響を受けるものは多い。

ピーナッツ油の価格が高騰すると庶民は他の安い食用油を買うしかないが、ミャンマー人の好みはやはりピーナッツ油だ。

2012/07/10

ミャンマーの高額納税企業

79日付ミャンマータイムズ(英語版)に2011-2012年度の高額納税企業Top10が載っていた。商業税、法人税ともに1位を獲得したのはMyanmar Breweryで、ミャンマービールを製造販売している会社だ。

ミャンマービールは日本ではごく稀にしか飲めないが、ミャンマーでは最も有名なビールの銘柄で、意外かもしれないがモンドセレクション金賞を何回か受賞している。味は日本のビールより軽い感じだ。

因みに他のランキングをみると、商業税部門は2位:Rothmans of Pall Mall Myanmar(タバコ製造)、3位:Dagon Beverages Co(飲料製造)など製造、貿易、ホテルが続く。法人税部門は2位:Kanbawza Bank(民営銀行)、3位:CP Livestock Co(畜産、畜産加工)など製造業、建築、インターネットサービス、貿易(飲料)となっていた。

2011-2012会計年度、税務局が徴収した額は1.57兆チャット(約15百億円)、前年度に比べて50%の増収だったとのこと。

2012/07/07

ヤンゴン新国際空港計画の追加記事

76日付ミャンマータイムズ、ミャンマー語版によると、バゴー近郊に予定しているヤンゴン新国際空港(ハンターワディー国際空港)の建設については今年99日まで募集を行い、その中で選ばれた会社が入札に参加できるとのこと。プロジェクトは20136月から動きだし、201612月中に完成を予定しているそうだ。

2012/07/06

ヤンゴン新国際空港計画

現在のヤンゴン国際空港には今年から各国のエアラインが続々と就航し発着便数が増加する予定だが、それにともない空港設備の拡充が求められている。

72日付ミャンマータイムズ(インターネット、英語版)によると、現在の空港は2007年に改築され、270万人規模となった。2011年は145万人しか利用がなかったが、今年は新路線が就航し、航空機と旅客の取り扱いが増加するため年末には収容能力がいっぱいになるとのこと。

そこで第2のヤンゴン国際空港(ハンターワディー国際空港)の開発に政府が投資を求めているらしい。場所は旧日本軍が第2時世界大戦中に滑走路を建設していたところで、ヤンゴンから北に80㎞、バゴー近郊だ。1994年に韓国企業が1千万人規模の空港建設を計画したが、起工式のあとキャンセルされた経緯もあるらしい。

バンコクで飛行機を乗り継いでヤンゴンに到着すると、空港がとても小さく感じる。バンコクの空港ほど大きくなくても、今より大きい国際空港は今後のミャンマーの経済発展を考えると必要だろう。それと、個人的にはもう少しかっこいい空港ができることを望んでいる。

2012/07/05

ミャンマーへの空路アクセス増加

日本からミャンマーへの直行便は全日空が今年秋ごろから成田-ヤンゴン間の運行を予定しているが、その他の航空会社も続々とミャンマー便を拡大させている。

72日付ミャンマータイムズ(インターネット、英語版)によると、タイ・エアアジアは現在ヤンゴンへ毎日2便が運行しているが、今年9月-12月期にはネーピードーへ毎日、バガン、マンダレーへ週数便の運行を申請中。

ミャンマー国際航空はマンダレー-バンコク間の就航を2013年上期に予定。

大韓航空は913日からソウル-ヤンゴン間を週4便運行する予定。

カタール航空は1028日からドーハ-ヤンゴン間を週3便運行する予定。カタール航空は2008年に運航を止めていたらしい。

その他、今年年末ごろにヤンゴン-マニラ便、ドイツのコンドル航空がフランクフルト-ヤンゴン間(帰路はタイのプーケットを経由)を11月から週1便を予定とのことだ。

私もよく利用するバンコク-ヤンゴン間のフライトはいつも混んでいるので、ヤンゴン便が増えると少しは予約が取りやすくなるかもしれない。

2012/07/02

ミャンマー人は占い好き

ミャンマーで質問サービスをおこなっている「コールセンター」というのがある。今日の国営紙(Myanmar Ahlin)によると、いま携帯電話を持っている若者の間で人気となっているのが、その占いサービスらしい。日本人も占い好きだと感じるが、ミャンマー人も大の占い好きだ。

ミャンマー人にとって占いとの関わりは生まれた時から始まる。先ず何曜日に生まれたかで象徴となる動物が決まり、それぞれ性格的な特徴も決まるとされる。命名の方法も月曜ならカ行から始まり、火曜ならサ行から始まるという具合だ。親によっては例えば火曜日生まれの子供がほしいから火曜日に帝王切開で子供を産むということもよくある話。

そのコールセンターの占いサービスが何占いかは分からないが、生年月日/時間や占星術のようなものはミャンマーでよく耳にする。記事によると1分につきK100(約10円)のサービス料だが、6月第2週から始まったこのサービスに毎日5千件ほどの電話がかかってくるらしい。

2012/06/30

建物の崩落

日本ではあまりないが、ミャンマーではビルが突然崩れたというニュースを新聞でみることがよくある。

昨日の新聞ではヤンゴンで築25年の住居用2階建て建物が夜中に崩れたことと、クリニックの入った建物が、恐らく営業時間と思われる時間に9mほど崩れたことが載っていた。

ミャンマーは1年の半分が雨季で、大雨が降るとすぐに冠水するところも多い。かつて住んでいたローカルのアパートもコンクリートの壁がカビてモルタルやペンキの塗装もすぐに剥落するような状態だった。

築年数がかなり経っている建物は危険の可能性が高い。政府も危険な建物を指定して住まないよう指導しているが、危険な建物の数が多く対応が追いついていない感じだ。今後、外国人もローカルアパートを借りる機会が多くなると思うので、建物のチェックは入念にすることをお勧めする。

2012/06/28

地上波 channel 7 開局

これまでミャンマーで地上波テレビのチャンネルはMRTVMRTV-4Myawaddyだけだったが、627日付の国営紙によると新たにChannel 7 がヤンゴンとマンダレー、その近郊で受信できるとのことだ。Channel 7 はヤンゴンでVHF222-228MHz、マンダレーでVHFJ11210-216MHz。それとともにMRTV-4はデジタル放送を行っている地域でデジタル受信が可能とのこと。

残念ながら番組表が紙面に掲載されていないので、どのような番組が放送されるのかはまだ分からない。

2012/06/27

観光環境も整備

外国人にとってミャンマー観光といえば、世界三大仏教遺跡のひとつであるバガン遺跡、英国植民地以前に王朝があり現在国内第二の都市となっているマンダレー、浮き畑農業や水上生活をする少数民族の暮らしが垣間見れるインレー湖が最も有名で規模も大きいが、その他にも小規模ながら見所は各地に点在している。しかし、小規模な観光地やかつては外国人の立ち入りが認められなかったような場所はあまり整備されていなかったのが現状だ。周辺が整備されていないのは素朴でいい面もあるが、歴史的な建造物や遺跡が荒れてしまうのは歴史的な損失に他ならない。

このほど文化省下にある考古学国立博物館図書館局の発表によると、歴史的な場所3ヶ所を民間企業とともに考古学公園にするとのことだ(625日付ミャンマータイムズ、インターネット、英語版)。その3ヶ所は、マンダレー近郊でかつて約400年も王都があったインワ、バガンとマンダレーの中間あたりに位置し木彫が施された僧院があるイェーザジョー、シャン州にあり洞窟内に壁画が残されているバダリン洞窟である。これらはユネスコの世界遺産の暫定リストに載っているものだ。その暫定リストにはミャンマー国内の遺跡や建造物など、約20ヶ所が載っている。現在のところ世界遺産に登録されているものはない。しかし、個人的には世界遺産の価値が充分あるにもかかわらず、登録されていない場所が多いと感じている。

また、上記紙によるとミャンマー投資委員会(MIC)はヤンゴンにある4つの国有建物についてホテル化するために入札を行うという。77日が入札締め切りで、国内外から多くの問い合わせを受けているとのことだ。ミャンマーには英国植民地時代に建てられたコロニアル様式のビルが多く点在している。その歴史的な建物をホテルとして利用するということらしい。これら植民地時代の建物はかなり老朽化しており修築が必要となっていた。

近年、経済活動が活発化している中、観光環境の整備も徐々に始まっている。


2012/06/21

テイン・セイン大統領の演説

19日に首都ネーピードーで行われたテイン・セイン大統領の演説は翌日の新聞に約3面に渡って掲載された。そのうちの一部のみご紹介する。

2011-12年会計年度から2015-16会計年度の短期五ヵ年計画(草案)の目標
1GDP7.7%増加する。
2GDPにおける農業部門比率を36.4%から29.2%に引き下げ、工業部門比率を26.0%から32.1%、サービス部門比率を37.6%から38.7%に引き上げる。
31人当たりGDP1.7倍にする。計算上は1.7倍を目標としているが、政府としては3倍にする努力をしたい。(多くのメディアでは単に3倍としか報じていないが実際の計算上は1.7倍とのこと。)国民の生活が満たされるよう国民の所得増加に努める。そのために、国家予算の削減、援助・借款の増加、国内外からの投資促進を柱とする。

国家財政の赤字は2011-12会計年度で2,159,534百万チャット(約2,200億円)で、2012-13会計年度は1,953,712百万チャットの見込み。財政赤字を食い止める必要があり、効率が悪く不必要な事業は削減およびコストカットし、民営化も行う。民営化は解体・売却ではなく、先ずは国営の比率が高い通信、電力、エネルギー、林業、教育、健康、金融分野を調査し、民間所有比率を高めていく。

雇用促進とともに最低賃金を定める法律を作る。外国投資法はまもなく連邦議会を通過し、経済特区法案も議会に提出される。貿易と投資が国際社会で経済成長するために重要な位置付けであると同時に、土地や水資源、森林や鉱物資源の持続可能な開発のために法規を制定する。
電力に関しては最近起きた国民の電力要求に言及し、これまで発電量が少なく、送電コストのかかる水力発電に頼ってきたが、昨今の電力需要に応えるため、天然ガスやディーゼル、石炭、太陽光、風力、バイオ、廃棄物燃料からの発電も行うとのことだ。
全体的には国内の法律やシステムの整備、計画の策定実行、財政の健全化、投資および雇用の促進、国民生活の向上など課題は山積みだが、政府とともに国民および海外の協力も含めて全体でひとつひとつ目標に向かって努力していこうという強いメッセージが感じられた。

2012/06/19

水産加工会社がCMPビジネス参入


ミャンマーで委託加工貿易のことをCMPCutting, Making and Packing)と呼ぶ。CMPといえばこれまで縫製業や製靴業で行われてきており、日系もかつてより参入している。工場は生地や縫製材料を全て輸入し、それらを縫製して委託加工料を受け取り、製品は全量輸出するというものだ。

618日付ミャンマータイムズ(インターネット、英語版)が民間情報として伝えたところによると、このほどいくつかの水産加工会社がCMPビジネスの申請を当局に行っており、来週には許可が下りるという。ある会社は先ずアルゼンチンからの水産物を加工するという。今回CMPビジネスを申請した背景としてミャンマーでの漁獲量不足も挙げている。

ミャンマー水産物加工輸出協会の書記も水産加工のCMPビジネスが上手く行くとは言い難いとコメントしているが、慢性的な電力不足や港湾での冷凍コンテナの管理状況、トラック輸送中の保冷方法などを考えると、あと数年は厳しい感じがする。しかしCMPビジネスが縫製業以外にも広がることには歓迎だ。

2012/06/18

蚊の対策


雨季が始まると水溜りがあちこちにできる。蚊が特に多い季節になってきた。東南アジア地域に言えることだが、ミャンマーも蚊が多い。蚊が媒介する感染症で、駐在員がよく罹るのがデング熱およびデング出血熱だ。それらを媒介する蚊は都市部に生息し、朝や夕方に活動する。(デング熱、デング出血熱に関する詳しい情報は国立感染症センターのページへ

予防は先ず蚊に刺されないことなので、私は虫除けスプレーを常備しているが、汗や雨で流されてしまうのか、蚊に刺されることがよくある。

ミャンマーのレストランは外にテラス席を設けているところも多く、外で食べると気持ちいいが、蚊に悩まされることが多い。そういう時は殆どのレストランで蚊取り線香を焚いてくれるので、お店の人に「チンゼー ペー バー(蚊取り線香をください)」と遠慮せずに言おう。ミャンマー語で蚊取り線香は「チンゼー」という。棒状の一見花火のような形状のものか、日本でお馴染みのコイル状のものを持ってきて焚いてくれる。これでけっこう蚊が寄り付かなくなるものだ。

蚊の対策と言えばミャンマーでは蚊帳は欠かせない。日本ではもう見ることもなくなったが、ミャンマーでは今でも大活躍している。旅行者や高級アパートメントにお住まいの方には必要ないかもしれないが、ローカルのアパートを借りて暮らすとなれば蚊帳は重宝する。蚊帳はミャンマー語で「チンダウン」という。スーパーとか雑貨屋で手に入る。

2012/06/12

賃上げ協議の結果


先月59日に賃上げストが起きて11日に早期決着に至ったはずの韓国系かつら工場Hi-Moが、後日その合意を取り消したため、再び524日に1500人の女性従業員によるストが起きていた。そして65日に協議を行い、再び合意に至ったらしい。

68日付のミャンマータイムズ(インターネット、ミャンマー語版)によると、Hi-Moの従業員は基本給K30,000と諸手当を求めていたが、諸手当は合意したものの、基本給についてストが長引いていた。65日に基本給29,700チャット+賞与10%で合意したとある。(総額は基本給+賞与+諸手当から成りこの記事では諸手当が明示されていないので総額が分からないが、以前の記事を参照すると交渉前の諸手当がK35,00065,000とあるので凡そK67,00097,000になったと思われる。)

協議は(Hi-Moを含む)ストが起きている5つの工場の責任者と従業員が会し、労働省副大臣、工場・労働法検査局、ミャンマー衣類製造業者協会会長、法律コンサルタント、民主化活動家も出席して行われた。

ミャンマー縫製業協会会長が3つの労働団体に対し、基本給の規定について提案した結果、CostecGreat ForeverCNN ミャンマー・トレーディング、サン・カウン縫製など4工場の従業員と工場責任者は提案どおり合意したそうだ。

提案の内容は、見習いの場合、日当K1,000として1ヶ月に日曜と休日を除き27日出勤するものとして、基本給をK27,000/月、生活手当をK100/日としてK2,700/月、残業手当を1時間K273として1ヶ月最大88時間の残業でK24,000、精勤手当K3,000/月で合計最大K56,700/月。(K10≒1円で計算するとよい)

また、Cレベルのオペレーターの場合、日当をK1,100とし、生活手当K300/日、残業手当K300/時間、精勤手当K3,000/月、生産賞与K3,000/月を合計してK70,200/月。

Bレベルのオペレーターの場合、日当K1,150、生活手当K500/日、残業手当K313/時間、精勤手当K5,000/月、生産賞与K5,000/月を合計してK82,094/月とのことだ。

2012/06/08

新しい高額紙幣の発行


昨日の国営テレビのニュースによると来週615日に新しく10,000チャット紙幣(約1,000円)が発行されるとのことだ。通貨の単位は「Kyat」、略して「K」とか「Ks.」、「MMK」と表される。日本語では慣習的に「チャット」と表記するが、実際の発音は「チャッ」という。

現在の最高額紙幣は5,000チャット。以下、1,000500200・・・と続く。かつては15とか4590チャット紙幣という中途半端な金額の紙幣があり、支払いのたびに頭を使った記憶がある。現在一番よく使う1,000チャット紙幣が導入されたのは1999年ごろ。導入当初はお店でなかなか受け取ってもらえなかった。おつりが多く要るからだ。また、暫くすると高額紙幣は偽札の危険があるということでお店では紙幣を入念にチェックするようになった。それが13年ほど経ってその10倍となる10,000チャット紙幣が新たに発行されるという。体感だがこの10年で通貨の価値がだいたい10分の1ぐらいになっている。

ミャンマー国内では現金決済が多い。だから少し高額な買い物をする時は札束を袋に詰めて持ち運ばなければならないし、今では現地女性のハンドバックからも普通に札束が出てくるようになっていた。この新しい高額紙幣の導入で札束を運ぶことがなくなり、少しは身軽になる。

2012/06/06

ANAのヤンゴン直行便


このところ国営紙に掲載される記事で多いのは外国からの要人もしくは企業がミャンマーの大統領や大臣と面会したというニュースだ。日本ではそのごく一部しか伝えられていないが、ほぼ毎日のように諸外国から多くの訪問者が大統領や大臣、副大臣と面会している。その中には日本企業も多く、Myanmar Ahlin65日付の記事には全日空の副社長率いる一行がホテル観光省副大臣および運輸大臣と面会したことが載っていた。

全日空は成田-ヤンゴン間の直行便を今年中に計画しているという発表が4月にあったばかりだ。記事によると、今回の運輸大臣との面会では関空-ヤンゴン間の直行便の再運行について(ANA19967月~20003月まで週3回、関空-ヤンゴン間の直行便を運行していた)やヤンゴン空港での支店開設、ヤンゴンでの機体整備および地上サービスをMAIMyanmar Airways International:ミャンマー航空)に業務委託すること、国内ヤンゴン-ネーピードー間のチャーター便運行などについて協議したとのこと。

成田-ヤンゴン-成田間のルートは週3回、9月か8月中旬から運行するとしている。その他9月中には東京-ヤンゴン-ネーピードー-ハノイ-東京間のチャーター便を運行するとのこと。

これまでヤンゴンへのルートは近隣国を経由して1日がかりで移動するしかなく不便だった。全日空の直行便で、時間のかかる遠い国というイメージから直ぐに行ける近い国に変わるかもしれない。

2012/06/02

ドリアンの季節到来

ドリアンは人によって好き嫌いが極端に分かれる食べの物のひとつだが、私は大の好物だ。あのカスタードクリームのような食感が何ともいえず、一般にくさいといわれる臭いも好物となると良い匂いにしか感じない。ドリアンは雨季の初めぐらいからヤンゴンに出回り、私にとって雨季の楽しみとなっている。

どのお店でも(露天商のことだが)あの硬いトゲトゲの分厚い皮を剥いてくれるので観光客でも手軽に買って食べられる。スーパーでは剥いて果肉だけをパックにしたものがあるが、私はやはり熟れているかどうかを目と鼻で確かめながら露天で買うのが好きだ。熟れているのと熟れていないのとでは味に格段の差がある。因みにドリアンはミャンマー語で「ドゥーインディー」という。

ミャンマーで有名なドリアンの産地はカレン州で、先月末タウングーのドリアン市場に多くのドリアンが並び、ヤンゴンに国産ものが出回る季節がやってきた。ヤンゴンではタイ産のものも売られている。新聞によるとタウングーでの市場価格は大きいもので1個2,500~3,000チャット(約200~300円)、中ぐらいで1個1,500~2,000チャット、小さいもので1,000チャットほどとのことで、出始めとしては良い値がついているらしい。タウングーからトラックや列車でヤンゴンまで運ばれてくると幾分か上乗せされて市場に出回ることになる。タウングーの市場では収穫期を迎えると1日10万個ほどにまでなるらしい。旬の熟れたドリアンが待ちきれない。

2012/06/01

商用アライバル・ビザ開始


本日61日から開始するヤンゴン空港でのアライバル・ビザについて在東京ミャンマー大使館のホームページに申請書類が載っている。商用ビザ、会議・ワークショップ等に参加する入国ビザ、通過ビザが必要な方は以下ページを参照のこと。

2012/05/30

ヤンゴンのゴミ事情


今年の4月1日からヤンゴン市では家庭から出る一般廃棄物について分別収集を始めている。方法は乾いたゴミと湿った(水分を含む)ゴミに分け、それぞれ決った色のゴミ袋に入れて収集場所に捨てるというもの。それぞれに色付けされたゴミ袋は有料だ。この分別収集方法が始まって2ヶ月ほど経ったが、状況が伺える記事が国営紙(Myanmar Ahlin、ミャンマー語版529日付に載っていた。

環境維持・清掃局がメディアに説明したところによると、色付けされたゴミ袋で乾いたゴミと湿ったゴミに分別廃棄するシステムは期待以上に上手く行っているとのこと。

収集場所に正しく分別袋に入れて捨てられるゴミは徐々に増えてきており、430日においては924回の収集のうち、正しく分別された袋が含まれていたのが70回(7.57%)だったのが、524日には28.52%になったそうだ。

但し、ゴミ袋の料金を負担に思い、繁華街のゴミ収集場所や少し離れた場所へ清掃時に捨てに来る人、他人の家の前に夜人気のないときに捨てる人、裏路地や溝に捨てる人がいることも認めている。

ある住民は、このシステムになってゴミが以前より3分の1に減り、減った分はゴミ袋を買いたくない人が人気のないところに捨てたり、34日溜めて袋を一杯にしてから捨てているからだと話している。

また、このようにゴミが投棄されると雨季になって溝が詰まり、ネズミやハエが発生する。ゴミ収集場所ひとつだけをとって上手く行っているとは言えないと指摘する声も載せている。

2012/05/29

電力事情:売電価格


最大都市ヤンゴンでは毎日6時間停電、マンダレーではその3倍ともいわれる停電に市民は先週デモに訴えたようだ(ミャンマー・タイムズ25日付、インターネット、ミャンマー語版)。電力不足の解消は外国からの投資に期待したいところだが、それほど投資案件が集まってくる状況でもないらしい。

ミャンマー・タイムズ(インターネット、英語版)28日付によると、第2電力省情報として、住宅向け電力小売料金が単位あたり35チャット(約3.5円)のミャンマーにおいて、発電への投資に興味を示す外国企業は少ないとのこと。多くの国内、外国企業は電力供給設備と発電の民営化への投資について政府にアプローチしてくるが、これまでのところそれらは政府資金の貸付を申し出るだけだったという。

ミャンマーで電力省は2つに分かれている。第1電力省が電力生産と水力発電事業の管理を担い、第2電力省は発電と送電、販売を担う。因みにエネルギー省は天然ガスを外国に販売している。

2電力省は第1電力省から単位あたり20チャット(約2円)で買取り、住宅用顧客に35チャット(約3.5円)で販売している。その15チャットの差額では省の運営費を賄うのに十分ではないとのこと。

最近、電力料金が上がったが、それでも発電事業の収支は投資に見合わないのだろう。

記事によると国内には現在、18の水力発電所と1つの石炭火力発電所、10の天然ガス火力発電所があり、水力発電所の最大発電能力は1,270MWだが、暑季(乾季)はダムの水位が下がるため1,000MWしか発電できない。天然ガス火力発電所は更に340MWの追加発電が可能とある。

電力省の数字では、送電網のない地域が多くあるが、雨季のピーク使用量は平均1,450MWで、暑季は1,850MWに増加する。今年、需要が15%増加しているが、その需要を500MW下回っているとしている。

2012/05/28

映画館


ミャンマーの映画館には3つのタイプがある。ミャンマー映画専門と洋画専門、インド映画専門である。インド映画はよく分からないが、洋画はけっこう新しい作品が上映されている。

たとえば先週末、洋画専門の映画館では、『バトルシップ(Battleship)』(US/2012.5)、『タイタンの逆襲(Wrath of the Titans)』(US/2012.3)、『龍門飛甲(Flying Swords of Dragon Gate, 3D)』(香港/2011.12)が上映されていた。『龍門飛甲(Flying Swords of Dragon Gate, 3D)』は2011年の作品だが、3D映画館がヤンゴンにできたのが今年3月になってからだから仕方ない。

映画館の入場料は3D映画館は少し高めでセット料金2,5003,500チャット(約250350円)ほど。3Dでない洋画の映画館で座席の種類にもよるがだいたい2,000チャット(約200円)程度。ミャンマー映画はもう少し安い。この入場料金もこの数年で急激に上昇している。

ところで映画館の友といえば日本ではポップコーンと飲み物という感じだが、ミャンマーではヒマワリの種だ。映画館のあの暗闇の中、ミャンマーの人は実に器用にあの小さい種の殻を口で剥いて食べる。私も初めのころは、ヒマワリの種を食べると映画の内容に集中できなくなるので諦めていたが、食べ慣れてくると暗闇でもけっこう食べられるものだ。

ヒマワリの種の味付けもいろいろあるが、私が好きなのはガーリックロースト。香ばしい香りとカリカリのガーリックがたまらない。映画が終わって明かりが点くと、椅子の下はどこもヒマワリの種の殻でいっぱいだ。

2012/05/24

ミャンマーの交通:バスとタクシー


ミャンマーは車社会だ。ヤンゴン市内には環状線も走っており、ヤンゴンから中部の商都マンダレーや仏教遺跡で有名なバガンに行く長距離列車などもあるが、市民の足はもっぱらバスだ。バスは近距離、長距離とも便が多く、路線も多い。

ヤンゴン市内を走るバスは、かつてはピックアップトラックの荷台を改造したものや古くてボロボロの大型バスに、ぶら下がらんばかりに人が大勢乗っているものしかなかった。僧侶や女性、年寄り子供は中の方に入れてくれ、座らせてもくれるが、乗るのも降りるのも人が多くて大変だった。しかし最近は快適なバスもある。「Aircon Bus」は何年か前に登場し、それほど人を詰め込まないので、たいていは座れるし、乗り降りも楽だ。料金も他と比べて割高とはいえ200チャット(20円)ほどだ。


古い車両は昨年から実施している政策により徐々に新しい車両に入れ替わっているので、いつ壊れてもおかしくないような古いバスはだんだん姿を消し、快適さも向上すると思われる。

経済的で快適な「Aircon Bus」バスだが、外国人にとって困ったことに、車体の行き先表示はミャンマー語で書かれている。路線を示す数字も丸っこいミャンマー文字で書かれている。なのになぜか「Aircon Bus」だけが英語だ。そもそもバスに外国人が乗ることを想定していないから、英語で書かれた路線表や、車内案内といった類のものもない。バスがバス停に止まると待っている人に向かって車掌が行き先を叫び、車内では車掌が次のバス停を告げるだけだ。そこで拙著『旅の指さし会話帳44ミャンマー』の出番だ。親切なミャンマー人のこと、誰かにどれに乗ればよいかを尋ねれば教えてくれるし、車掌に降りたい場所を告げると降りるバス停で教えてくれる。

そんなタフな移動はしたくないならタクシーだが、ミャンマーでは乗る前に金額交渉が必要だ。近ごろはメータータクシーも出てきたが、実際にメーターを使っていないことも多く、結局は交渉が必要となる(やはり拙著の出番!)。だいたいの距離や相場が分からないと交渉しにくいので、現地の方に参考金額を聞いておくことをお勧めする。タクシーのドライバーはこっちが外国人で土地勘がないと思うと少し吹っかけてくることも多い。とはいってもバカ高く吹っかけてくるわけではないので、その金額でいいならそれもよし。相場の金額でちょっと交渉してみたいなら交渉するもよしだ。

何れにしろ、自分で移動するにはミャンマーの方と会話することになる。それもまたミャンマー旅行の楽しいところだ。

2012/05/23

電力事情:12.5.22国営紙


ミャンマーの電力不足は慢性的だが、522日付ミャンマー国営紙Myanmar Ahlin(ミャンマー語版)では、電力省情報として暑季の電力不足の説明と今後の発電所建設計画について報じている。

記事によると、今年の暑季は非常に暑く、各地で電力需要が伸びたため1,850メガワットの需要に対し、供給が1,340メガワットしかなかった。そのため国民を3つのグループに分けて輪番送電をおこなっていた上に、519日に起きたシュエリー発電所の送電線トラブルで200メガワットの発電量減少が加わり、供給能力が約1,100メガワットとなってしまったと説明。そのため国営の製鉄所やセメント工場、化学肥料工場や民間企業の電力使用量のうち500メガワットをカットし、国民に優先して電力を供給したとある。

参考までに本日の東京電力の電力使用見通しだけで3,470kW34,700メガワットである。

今後の計画として、短期計画ではアメリカのジェネラル・エレクトリック社やキャタピラー社と協力しており、長期計画ではヤンゴン市近郊に日本の電源開発(J-Power)と共同で600メガワットの発電が可能な石炭発電所を4つ、韓国のBKB社と協力し500メガワットの発電が可能な天然ガス発電所を4つ建設する計画があると説明し、記事の最後には国民に対して停電への理解と節電の協力を呼びかけている。

2012/05/19

ヤンゴンで工場の賃金も上昇

ここ最近、投資先として注目が集まっているミャンマーだが、物価の上昇とともに、賃金も上昇している。ミャンマータイム(インターネット・英語版)14日付によると、ヤンゴンの韓国系ウィッグ(かつら)工場で2日間のストの結果、賃上げの合意に至ったとのことだ。

当該工場の従業員は18,000人で、ウィッグを中国、韓国、日本に輸出している。5月9日と10日の2日間、1,000人あまりの従業員が職業紹介所の前で座り込みのストを行ったそうだ。

労働者の以前の賃金は基本給8,000チャット(約800円)で、日当、残業、ボーナスなどを合計すると月給35,000から65,000チャット(約3,500から6,500円)だった。今回の合意により、基本給が30,000チャット(約3,000円)、諸手当を合計すると月給100,000チャット(約10,000円)になるという。

数ヶ月前にもヤンゴンの台湾系靴工場でストがあり、裁判の結果、賃上げに至っている。このところストによる賃上げのニュースが多い。

2012/05/16

男も女も巻きスカート

近ごろテレビの映像でミャンマーのことが流れることも増えてきたが、皆さんはお気付きだろうか?ミャンマーの人は女性だけでなく、男性もスカートのようなものを穿いている。それはロンジー(正確な発音は「ロウンジー」)といい、とくに男性用は「パソー」、女性用は「タメイン」という。形状は至って簡単で、一枚の布を筒状に縫っただけのものだ。

穿き方は筒の中に入り、男性の場合は両端を持って広げ、その端同士をお腹の前で結び、一方の端をお腹の中に入れ込むだけ。女性の場合は同じく筒の中に入るが、巻きスカートのように右か左のどちらか一方に寄せてきつく巻き付け、端を腰のところで入れ込むだけだ。熱帯で1年の半分は雨季といった非常に蒸し暑いミャンマーにおいて、このロンジーはとても涼しく心地よい。ミャンマーで暮らす日本人男性も愛用している方がいるくらいだ。

しかし、穿き方が至って簡単であるがゆえに、ずり落ちたり、着崩れないようにするには慣れと経験が必要だ。とくに女性用のタメインは男性のようにきつく結ぶことができないため、腰元が緩みやすい。その上、足のくるぶし辺りまである長い巻きスカートは足捌きが悪い。外の道もデコボコで歩きにくく、凹みを避けようとするとつい大股になってしまう。また、椅子に座ったり立ったり動作が多いと、いつの間にか腰元が緩んできてしまうものだ。かくいう私もまだまだ修行の身である。

ミャンマー人を見ていて、なぜこの簡単な筒状の布をあんなに綺麗に着こなせるのかといつも感心する。日本の着物と同じで、綺麗に着こなしている人を見ると気持ちのよいものだ。逆に、少しでも着崩れているとみっともないと感じるのはミャンマー人も同じである。だからロンジーを着るなら綺麗に着こなしたい。

ロンジーは既製品ではなく、布屋で生地を買い、縫製店で自分のサイズにぴったり合うように縫製してもらう。女性用のタメインは縫製の際に、腰のくびれに沿うようにダーツを入れ、腰にあたる部分に別の布を縫い付けたりするが、それだけで着崩れを防げるものではない。

そこで、ミャンマー人の若者用に開発されたのか、外国人用に開発されたのかは定かではないが、スカートタメイン(発音は「スカッ タメイン」)たるものが開発されている。これは西洋の巻きスカートに似ており着崩れることがない。もし皆さんが試しにタメインを着て街を歩いてみたいなら、初めはスカートタメインから入ることをお勧めする。

ロンジーにはいろんな種類の生地や模様がある。男性用、女性用で異なるのはもちろんのこと、民族や地方によっても異なる。また、普段着用や冠婚葬祭用などがあり、それぞれ特徴があるので、いろんな布屋を梯子しながら見て回るだけでも楽しい。布屋があるところの近くには必ず縫製店がある。見当たらなければ布屋が紹介してくれる。気に入った生地を見つけたらぜひ1着仕立ててみよう。

2012/05/14

空港で商用ビザの取得が可能に

ミャンマータイムズ(インターネット、ミャンマー語版)5月11日付によると、6月1日より商用目的でミャンマーに入国する人に対し商用のアライバル・ビザを発行すると、入国管理人口省大臣から発表があったそうだ。商用のアライバル・ビザの取得は40米ドルで、70日間の滞在が可能とのこと。

商用ビザの滞在日数は現在と変わりないが、空港で商用ビザを取得できるとなると格段に便利になる。ミャンマーとしては商用ビザ取得を便利にし、投資やビジネス客を呼び込みたい意向だろう。アライバル・ビザは以前からあるにはあったが、取得条件に制限があり、度々中止や変更されたりで、日本からミャンマーを訪れる際は日本のミャンマー大使館で事前にビザを取得してから渡航することになっていた。東京品川の大使館に訪れて手続きをすると数日で取れるが、郵送となると10日ほども掛る。それが、空港に到着してから取得できるのはありがたい。また、手続き費用も商用のシングルで現在4,500円かかるところが40米ドルとなるので、現在の為替レートだと安くなる。

記事によると、商用ビザに続いて順次、観光ビザ、その他のビザもアライバル・ビザにするとある。まず第一段階として、商用のアライバル・ビザを早急に進め、投資家、大使館のある国、政治問題がなく、その他安全と思われる場合、許可する。また第二段階では、オンラインでビザを発行するとある。ミャンマー大使館のウェブサイトにはまだ何も出ていないため、具体的な申請書類や詳細は分からないが、6月1日以降に入国される方は確認の必要がある。

今回、商用ビザの取得が便利になってありがたいが、更なる希望をいえば日本人のビザなし渡航を認めてほしい。段階を踏んでからということだろうか。

2012/05/11

ミャンマー式喫茶店

最近はミャンマーでもお洒落なカフェが増えてきたが、今でも昔ながらの喫茶店は多い。ミャンマーの喫茶店では注文方法が独特だ。席に着いたらともかく飲み物を注文するだけでよい。ちょっと小腹が空いていてもである。というのも包子やサモサ、ミートパイにパン、ケーキなどを店員が持ってくるからだ。黙っているとたいていはそれらをテーブルに置いていく。中国の包子とインドのサモサ、西洋のケーキなどがテーブルに並び、ここは一体どこなのかと不思議な感覚になるかもしれない。しかしこれが中国とインドに挟まれ、イギリスの植民地を経験したミャンマーならではの光景だ。

ここでテーブルに勝手に並べられた国籍豊かな食べ物に戸惑って思わず、注文していないから下げてくれなどと文句を言ってはいけない。食べたくなかったら手を付けなければよいだけだ。ミャンマー流では食べた分だけ支払うことになっている。言葉が不自由な外国人にとっては非常にありがたいシステムだ。目の前に美味しそうなものを並べられると、食べるつもりではなかったのについ手が出てしまうのが人情である。ミャンマー流ではそれを狙っている。実に商売上手だ。

ところで飲み物はどういうものがあるのかというと、熱い紅茶かコーヒー、もしくは冷たいソフトドリンクが一般的だ。全て甘い。ミャンマー式の紅茶は練乳入りの紅茶で、「ラペッイェー」という。小さなガラスのカップに練乳をたっぷり入れ、濃く煮出した熱い紅茶をその上から注ぐ。テーブルに運ばれてくる時は練乳と濃い紅茶が二層になっている。それを客が自分で混ぜていただく。混ぜ方によってある程度は甘さを調節することが可能だ。もちろん最初から練乳を少なく入れてもらうこともできる。その場合は「チョーボ」と言おう。

コーヒーも細挽きにして濃く淹れ、砂糖や練乳をたっぷり入れて飲む習慣があるが、喫茶店ではインスタントを出すことが多い。インスタントといっても、最初からインスタントコーヒーとクリーミーパウダー、砂糖がひとつのパックに入ったものが一般的だ。当然のこと甘党のミャンマー人の味覚に合わせているから、かなり甘い。そのパックとお湯の入ったコーヒーカップが運ばれてきたら、自分でパックを開け、お湯に溶いて飲む。これはあまり情緒がないのと、甘さが調節できないので、コーヒー党の私もミャンマーではもっぱら「ラペッイェー」党になる。

テーブルで「シンメー(お勘定)!」言うとお勘定してくれる。飲み物と誘惑に負けて食べた分を支払えばよい。心配しなくても、どんなに混んでいても店員は誰が何を食べたかをよく憶えているものである。だからテーブルに並べられたものは遠慮せずいただこう。

2012/05/09

ミャンマー料理:ミャンマーカレー

ミャンマー料理とはどんなものか?よく受ける質問だが、なかなか明瞭には答えにくい。理由は大きく2つある。ひとつはミャンマーが135民族もいるといわれる多民族国家で、それぞれ全く異なるわけではないが、微妙な違いがありミャンマー国の料理として幅が広いこと。もうひとつは大食文化圏である中国とインドの影響を受けていることに加え、華僑や印僑は独自の食文化を守っているため、食文化が混在していることである。

その中でも代表的な料理はミャンマーで約7割を占めるビルマ族の料理で、カレーが中心となる。ここでは便宜上ミャンマーカレーと呼ぶが、このミャンマーカレーはインドカレーともタイカレーとも異なり、両方を足して2で割ったような感じというか、インドのカレーがミャンマーを通ってタイへ渡ったと想像した方がいいかもしれない。ミャンマーカレーは、ほんのりインドカレーのような香りがする、ニンニクと生姜、玉葱がたくさん入った魚醤系の味で、それほど辛くはなく、タイカレーのように多量のココナッツミルクを使ったさらさら系ではない。写真のように、インドカレー以上に具と油が多いカレーといった感じである。


家庭で作るカレーはそれほど油は多くないが(とはいっても日本人の感覚では多いのだが・・・)、店で食べるミャンマーカレーの油の量は半端ではない。たいてい油の層ができている。ミャンマーカレーで油を多く使うのは、暑く電力も不確かな状況で傷まないようにするためらしい。またお店のカレーで油が多いのは、かつて油が多いことイコール贅沢という感覚があったからのようだ。この油の多さを抜きにすれば、味は日本人に親しみやすく、とても美味しい。ご飯が進み、一度食べるとまた食べたくなる味だ。

そしてそのミャンマーカレーと一緒に食べるのが茹で野菜である。小ナスやオクラ、竹の子、ニガウリ、菜っ葉類など季節の野菜を茹で、「ンガピ」という小エビの塩辛でつくったタレにつけて食べる。さすがにこれはあっさりしていて、日本人にはありがたい。そのほかスープや中華のような野菜炒めなども一緒に食べる。


ミャンマーカレーは日本で提供する店も少ないが、ミャンマー国内でもそれほど多いとはいえない。最近は少し増えてきたが、かつては家庭で食べるものという感覚があり、ミャンマーカレーの外食店は数が限られていた。街で見かける飲食店で多いのは、中華料理、インド料理、シャン料理(シャン族の料理で、シャン州は中国国境に接しているため中華料理に近い。油が少な目であっさりした味付けが多い)である。最近は少数民族の料理を集めたカジュアルな飲食店もできているので、ミャンマーに行かれる方はミャンマー料理の幅の広さをぜひ体感していただきたい。

2012/05/06

TBSの「世界ふしぎ発見」で

昨夜、TBSの「世界ふしぎ発見」でミャンマーが取り上げられていた。最近になってようやく政治以外に経済や紀行、バラエティーでも取り上げられる機会が増えてきて、ミャンマーに関わるものとして、とても嬉しく感じている。たまに情報として、おや?と思うところもないことはないが、これまで政治にばかり偏っていた状態から比べるとずいぶん良くなってきた。

ちなみに昨夜の番組で気になったのは「食べるお茶」のところである。とくに発酵させた茶葉と野菜を和えたサラダというか、和え物のようなものは、番組では「ラペソー」といっていたが、正しくは「ラペットウッ」である。「ラペッ」は茶葉、「トウッ」は和える意味で、さしづめお茶の和え物とかお茶サラダとでもいったところである。番組は地方のロケだったので、もしかしたらそこの少数民族がそう呼んでいたのかもしれないが、ミャンマー語としてはやはり「ラペットウッ」である。

それから、その「ラペッ」をお茶の漬物といっていたが、漬物というとどうも塩分と酸味の利いた食べ物を思い起こすのだが、それは私だけだろうか?おそらくパッケージに英語で「pickle」と書いてあったりするので、漬物という訳に至ったのかもしれないが、私の感覚では漬物というよりむしろ油漬けといった感じで、発酵した茶葉がべっとり油にまみれており、酸味はない。苦いタイプと苦くないタイプがあり、和え物にする以外に、お茶請けとして野菜は入れずに胡麻や揚げた豆などを混ぜて食べる。私はこれが好きで、おじゃました家で出てくるとついつい手が伸びてしまう。

ところで昨夜の番組にもでていたが、あの「ふりかけ」はとても美味しい。「バラチャウンヂョー」といってとても香ばしく、家で作ったのは格別だが、最近ではミャンマーのスーパーなどで量り売りもしてくれる。ミャンマーのふりかけは種類も多く、番組にあった乾しエビのもの以外にも、カリカリのジャガイモが入ったものや、乾燥納豆がはいったもの、唐辛子がたくさん入って辛いもの、辛くないものなどいろいろある。量り売りのところではおそらく味見させてくれるので、ミャンマーに行かれる方はぜひ試していただきたい。日本の白いご飯にも合うこと間違いなしだ。

2012/05/01

ミャンマードラマ(ミャンドラ!?)

4月30日付のミャンマータイムズ(インターネット、英語版)の記事によると、フランスの協力を得て国営テレビ局が近年初となる国産の連続テレビドラマを作成し、4月30日から放送を開始するとのことだ。

ミャンマーのテレビでも人気があるのは韓流ドラマだ。韓流スターがミャンマーにやって来るとなると、街中はみな大騒ぎである。十数年前ぐらいまでは日本のドラマもやっていたが、今では全くない。現在ドラマといえば韓国ものか、中国ものといった感じである。ミャンマーものもテレビで放送はしているが、かなり古いものであったり、テレビドラマとしてではなく、映画として作られたようなものが殆どだったように思う。

映画といってもミャンマーの技術は国際レベルからはかなり劣っている。映画館の方は老舗の映画館以外にショッピングセンター内に新しくできたり、先日は3D映画館もできたらしいので、それなりの進歩をしているが、製作側はまだまだである。まず機材が古い。ともかく画質が粗い。台詞も音も現場で録音したものを使うから、音質が悪く聞き辛い。しかも撮影スタジオがなく(現在、建設計画があるようだが)、一軒家を借り切って撮るため雑音も入る。あまりけなしたくはないが、正直いって観ていて疲れる。

こんな惨憺たる状態だったので、この技術的にフランスの協力を得た連続ドラマはぜひ観てみたい。記事にストーリーについての記述はないが、写真に女優がコンバウン期のプリンセスの姿で写っていたので王朝物語なのかもしれない。楽しみである。

2012/04/29

停電に備えて

停電は以前よりかなり少なくなったようだが、やはり乾季の終わりには停電がある。日本では停電になるかもしれないと言っただけで大騒ぎになるが、停電の多い国ではそれほど大きなニュースではない。もちろん自家発電の燃料代が嵩むし、生活活動がかなり制限されるので、停電と聞くとミャンマー人でも毎回うんざりするし、停電で電気が消えた瞬間、街中から「あぁ・・・」と落胆の声がいつも聞こえてくるのだが、停電に備えることもしている。

昨年泊まった2つ星か3つ星レベルのホテルでは電気の配線を通常電源の時と自家発電を運転中の時と使い分けていたようだ。私が部屋で休んでいるといつものように突然、停電になったが、すぐに自家発電が作動し明かりがもどった。しかし、部屋の中の照明やコンセントで通常電源の時は使えたのに、自家発電の運転時は使えないものがあった。自家発電時は最低限の明かりとコンセントで我慢してくださいということだ。

ホテルの中だけではなく、市内の送電も優先するエリアと、そうでないエリアがある。言うまでもなくVIPが住んでいるような場所は優先エリアである。ミャンマーでアパートを借りる際はまず、そこの送電網が優先エリアなのか、そうでないかを確認する必要がある。これを確認せずに、不幸にも送電を優先しないエリア、というか、停電を優先するエリアかと思うぐらい、電力が少なくなると直ぐに停電するエリアに住んでしまうと、かなり厳しい生活を送ることになる。

日本では当たり前のことでもミャンマーではそうでないことがたくさんある。しかしそれはそれで、新たな発見として楽しむ余裕も持っていたいものである。

2012/04/27

ヤンゴンの電力事情

4月26日付のミャンマータイムズ(インターネット、ミャンマー語版)によると、ヤンゴン管区の工場地帯以外は電力供給を24時間とするが、印刷業のような小規模事業者は夕方5時から夜11時は電気を使用できないとヤンゴン市電力供給局が4月23日に伝えたらしい。工場地帯は2つのグループに分けられ、1つは朝6時から朝11時まで、もう1つは朝11時から夕方4時まで電力を供給するとのことだ。

また、ヤンゴン市電力供給局は4月1日からヤンゴン管区内に電力の輪番供給(すなわち計画停電である)を行ってきたが、4月9日より工場地帯を除く市内の居住区へは電力を再び24時間供給しているとも伝えている。

ミャンマーでは恒常的な電力供給不足を補うため、自家発電が欠かせない。工場でもホテルでも、商店でも、停電になるとあちこちで発電機を回し始めるので急に街中が騒々しくなる。電力不足はかつてからのことではあるが、石油価格が高騰する中、特に工場地帯のこの電力供給量ではどこもコスト高となり、厳しい運営を強いられるに違いない。

また記事には、今年3月の状況でヤンゴン管区の電力需要は750メガワットで、昨年より19%増加したとあり、全国の電力需要は現在のところ約1,600メガワット、昨年は1,400メガワット足らずであったとある。ヤンゴンだけで全国の電力需要の約半分を占めているようである。

参考までに東京電力の電気予報では本日の予想最大電力が3,510万キロワットであった。すなわち35,100メガワットである。ミャンマー全国の電力需要が1,600メガワットというのは人口約6,000万人を抱えるミャンマーにとっていかに少ないかが分かるが、それでも十分に供給されていない。

ミャンマーでは隣国の中国やタイなどがミャンマー国内に発電所を作り自国に送電する際、一部の電力をミャンマー国内に供給するという契約をしているが、記事ではその国内供給分を増やすよう要望したり、天然ガスによる発電も準備していると伝えている。

このところ経済的にも急に注目を浴びだしたミャンマーではあるが、このような記事を目にすると電力供給量を増やすことは急務だと実感する。

2012/04/25

あいさつ:ごはん食べた?

ミャンマーでの日常のあいさつは「タミン サー ピー ビー ラー?(ごはん食べた?)」である。というと、私が書いた本に「こんにちは」は「ミンガラバー」と書いてあるとクレームを受けそうだが、一応あいさつの項目には「ごはん食べた?」も入れてある。

実際のところミャンマー人どうしで「ミンガラバー」と言い合っているところを見た覚えがない。「ミンガラバー」はいわば外国人用に作られた言葉である。だから、ミャンマー人は外国人に対しては「ミンガラバー」と言うし、外国人が「ミンガラバー」と言っても違和感がない。しかし、ミャンマー人どうしではどうもしっくりこないようだ。

ミャンマー人と親しくなってくると、「ごはん食べた?」とあいさつされるようになってくる。そこで心得ておかなければならないことがひとつある。ミャンマー人にとって「ごはん」とは「コメ」だということである。日本も昔はそうだったかもしれないが、今の日本人にとってはラーメンやサンドウィッチ、フライドチキンはれっきとした食事、「ごはん」に入れていいものである。しかし、ミャンマー人にとっては違う。これらはすべて「おやつ」であり、小腹を満たす程度、軽食としての地位しか与えられていない。確かにミャンマーの麺類は量が少なめのものが多いが、いくら何でもフライドチキンはヘビーだろう。しかし量や腹持ちの問題ではなく、要は「コメ」を食べたかどうかで「ごはん」を食べたかどうかが決まる。

「ごはん食べた?」と聞かれて、「フライドチキンを食べてきたよ」と言おうものなら、「あら、まだごはん食べてないの?」なんて返事が返ってくる。もし相手が食事中の会話なら、「食べていく?」と「ごはん」を勧められるかもしれない。私の場合、「コメ」を食べてないのに「ごはん食べたよ」と言うのも何となく心苦しいので、「フライドチキンを食べてお腹いっぱい」だとか、「お昼ごはんにサンドウィッチを食べてきたよ」とか答えている。しかしこういう返事が多いと、この人は「ごはん」を食べないのかとミャンマー人は心配になるらしい。

こういうややこしい遣り取りを考えると、「ミンガラバー」は外国人にとって、とても便利な言葉かもしれない。

2012/04/22

ミャンマーの正月:ダジャン

毎年この時期になると思うが、ミャンマーの正月は長い。2012年の公休は4月12日から4月20日。土日を含めると11日間もある。当然のことながらその前後はミャンマー人の気もそぞろとなり、2週間ぐらいは正月モードが続いて仕事にならない。仕事を別にすれば、どーんと休めるのだから何とも羨ましい限りだ。

ミャンマー語で新年は「Thingyan」。「ティンジャン」と書くが通常「ダジャン」という。新年の祝いは、いわゆる水祭りとか水掛け祭りというものだ。タイでは「ソンクラーン」である。水祭りときくと日本人は仏教国の何やら涼しげで厳かなお祭りかと想像するかもしれないが、ミャンマーのダジャンはけっこう激しい。だから私はダジャンの時期はできるだけミャンマーにはいないようにしている。

ダジャンが始まる何日か前から目抜き通りに舞台が設営され始め、舞台ができ上がるとともにミャンマー人のダジャン気分は最高潮に達していく。一方、私の恐怖も最高潮に達するのだが・・・。

そしてダジャンがやってくると、その舞台から観衆や道行く人を目がけて消防用かと思われる巨大なホースで勢いよく水を掛けまくるのだ。あの水圧はかなりのものに違いない。もちろんその舞台からだけでなく、街の至るところ、上から横から、正面から、車から、知り合いだろうが、見ず知らずだろうが、ともかく水を掛けまくる。みな頭からずぶぬれだ。

このダジャンの時期、ミャンマーでは暑さと乾燥が最高に達している。ミャンマーの電力を支える水力発電所のダムの水量が少なくなり、停電が頻発するのもこの乾季最後の時期である。だから、この恐ろしいまでに水をふんだんに使ったお祭りは何とも贅沢ともいえる。

そしてダジャンで水を掛けまくったあと、何日かするとだんだん空が暗くなり始め雨季が始まる気配を感じる。そしてまた半年も続く長い雨季がやってくる。