2012/04/22

ミャンマーの正月:ダジャン

毎年この時期になると思うが、ミャンマーの正月は長い。2012年の公休は4月12日から4月20日。土日を含めると11日間もある。当然のことながらその前後はミャンマー人の気もそぞろとなり、2週間ぐらいは正月モードが続いて仕事にならない。仕事を別にすれば、どーんと休めるのだから何とも羨ましい限りだ。

ミャンマー語で新年は「Thingyan」。「ティンジャン」と書くが通常「ダジャン」という。新年の祝いは、いわゆる水祭りとか水掛け祭りというものだ。タイでは「ソンクラーン」である。水祭りときくと日本人は仏教国の何やら涼しげで厳かなお祭りかと想像するかもしれないが、ミャンマーのダジャンはけっこう激しい。だから私はダジャンの時期はできるだけミャンマーにはいないようにしている。

ダジャンが始まる何日か前から目抜き通りに舞台が設営され始め、舞台ができ上がるとともにミャンマー人のダジャン気分は最高潮に達していく。一方、私の恐怖も最高潮に達するのだが・・・。

そしてダジャンがやってくると、その舞台から観衆や道行く人を目がけて消防用かと思われる巨大なホースで勢いよく水を掛けまくるのだ。あの水圧はかなりのものに違いない。もちろんその舞台からだけでなく、街の至るところ、上から横から、正面から、車から、知り合いだろうが、見ず知らずだろうが、ともかく水を掛けまくる。みな頭からずぶぬれだ。

このダジャンの時期、ミャンマーでは暑さと乾燥が最高に達している。ミャンマーの電力を支える水力発電所のダムの水量が少なくなり、停電が頻発するのもこの乾季最後の時期である。だから、この恐ろしいまでに水をふんだんに使ったお祭りは何とも贅沢ともいえる。

そしてダジャンで水を掛けまくったあと、何日かするとだんだん空が暗くなり始め雨季が始まる気配を感じる。そしてまた半年も続く長い雨季がやってくる。