世界記憶遺産は世界遺産に比べて日本人には馴染みが薄い気がするが、UNESCOホームページによると、ユネスコ事業の1つで1995年に登録のガイドラインが作られ、2年に1度、登録が行われているとのこと。保存の対象は文書で、日本人がよく知るいわゆる世界遺産の遺跡、景観、自然などとは異なる。世界記憶遺産事業の目的は、最適な方法による文書の保存、デジタル化などによる文書遺産へのアクセス容易化、文書遺産の存在と重要性について世界的な認識の向上ということらしい。
その世界記憶遺産で昨年登録されたもののひとつに、ミャンマーのマンダレーにある729枚の石に刻まれた世界最大といわれる仏教経典群(マーハーローカマラゼイン・クドードー碑文)がある(UNESCO)。5月10日付Myanma
Alinnによると、このほど、その世界記憶遺産があるクドードー・パゴダの入口において、登録を記念するユネスコのロゴ入りの碑が建てられ、除幕式が行われたとのこと。
この石の経典はミンドン王時代の1868年に作られ、1枚1枚ひとつの仏塔に収められていると記事では紹介している。私もかつて訪れたことがあるが、石の経典が収められた白亜の仏塔が無数に並ぶ姿は、熱帯の強烈な光に照らされて美しく、まさに壮観だ。一度、旅のついでに立ち寄ってみてはいかがだろうか?