2012/06/21

テイン・セイン大統領の演説

19日に首都ネーピードーで行われたテイン・セイン大統領の演説は翌日の新聞に約3面に渡って掲載された。そのうちの一部のみご紹介する。

2011-12年会計年度から2015-16会計年度の短期五ヵ年計画(草案)の目標
1GDP7.7%増加する。
2GDPにおける農業部門比率を36.4%から29.2%に引き下げ、工業部門比率を26.0%から32.1%、サービス部門比率を37.6%から38.7%に引き上げる。
31人当たりGDP1.7倍にする。計算上は1.7倍を目標としているが、政府としては3倍にする努力をしたい。(多くのメディアでは単に3倍としか報じていないが実際の計算上は1.7倍とのこと。)国民の生活が満たされるよう国民の所得増加に努める。そのために、国家予算の削減、援助・借款の増加、国内外からの投資促進を柱とする。

国家財政の赤字は2011-12会計年度で2,159,534百万チャット(約2,200億円)で、2012-13会計年度は1,953,712百万チャットの見込み。財政赤字を食い止める必要があり、効率が悪く不必要な事業は削減およびコストカットし、民営化も行う。民営化は解体・売却ではなく、先ずは国営の比率が高い通信、電力、エネルギー、林業、教育、健康、金融分野を調査し、民間所有比率を高めていく。

雇用促進とともに最低賃金を定める法律を作る。外国投資法はまもなく連邦議会を通過し、経済特区法案も議会に提出される。貿易と投資が国際社会で経済成長するために重要な位置付けであると同時に、土地や水資源、森林や鉱物資源の持続可能な開発のために法規を制定する。
電力に関しては最近起きた国民の電力要求に言及し、これまで発電量が少なく、送電コストのかかる水力発電に頼ってきたが、昨今の電力需要に応えるため、天然ガスやディーゼル、石炭、太陽光、風力、バイオ、廃棄物燃料からの発電も行うとのことだ。
全体的には国内の法律やシステムの整備、計画の策定実行、財政の健全化、投資および雇用の促進、国民生活の向上など課題は山積みだが、政府とともに国民および海外の協力も含めて全体でひとつひとつ目標に向かって努力していこうという強いメッセージが感じられた。