2012/05/24

ミャンマーの交通:バスとタクシー


ミャンマーは車社会だ。ヤンゴン市内には環状線も走っており、ヤンゴンから中部の商都マンダレーや仏教遺跡で有名なバガンに行く長距離列車などもあるが、市民の足はもっぱらバスだ。バスは近距離、長距離とも便が多く、路線も多い。

ヤンゴン市内を走るバスは、かつてはピックアップトラックの荷台を改造したものや古くてボロボロの大型バスに、ぶら下がらんばかりに人が大勢乗っているものしかなかった。僧侶や女性、年寄り子供は中の方に入れてくれ、座らせてもくれるが、乗るのも降りるのも人が多くて大変だった。しかし最近は快適なバスもある。「Aircon Bus」は何年か前に登場し、それほど人を詰め込まないので、たいていは座れるし、乗り降りも楽だ。料金も他と比べて割高とはいえ200チャット(20円)ほどだ。


古い車両は昨年から実施している政策により徐々に新しい車両に入れ替わっているので、いつ壊れてもおかしくないような古いバスはだんだん姿を消し、快適さも向上すると思われる。

経済的で快適な「Aircon Bus」バスだが、外国人にとって困ったことに、車体の行き先表示はミャンマー語で書かれている。路線を示す数字も丸っこいミャンマー文字で書かれている。なのになぜか「Aircon Bus」だけが英語だ。そもそもバスに外国人が乗ることを想定していないから、英語で書かれた路線表や、車内案内といった類のものもない。バスがバス停に止まると待っている人に向かって車掌が行き先を叫び、車内では車掌が次のバス停を告げるだけだ。そこで拙著『旅の指さし会話帳44ミャンマー』の出番だ。親切なミャンマー人のこと、誰かにどれに乗ればよいかを尋ねれば教えてくれるし、車掌に降りたい場所を告げると降りるバス停で教えてくれる。

そんなタフな移動はしたくないならタクシーだが、ミャンマーでは乗る前に金額交渉が必要だ。近ごろはメータータクシーも出てきたが、実際にメーターを使っていないことも多く、結局は交渉が必要となる(やはり拙著の出番!)。だいたいの距離や相場が分からないと交渉しにくいので、現地の方に参考金額を聞いておくことをお勧めする。タクシーのドライバーはこっちが外国人で土地勘がないと思うと少し吹っかけてくることも多い。とはいってもバカ高く吹っかけてくるわけではないので、その金額でいいならそれもよし。相場の金額でちょっと交渉してみたいなら交渉するもよしだ。

何れにしろ、自分で移動するにはミャンマーの方と会話することになる。それもまたミャンマー旅行の楽しいところだ。