2012/05/29

電力事情:売電価格


最大都市ヤンゴンでは毎日6時間停電、マンダレーではその3倍ともいわれる停電に市民は先週デモに訴えたようだ(ミャンマー・タイムズ25日付、インターネット、ミャンマー語版)。電力不足の解消は外国からの投資に期待したいところだが、それほど投資案件が集まってくる状況でもないらしい。

ミャンマー・タイムズ(インターネット、英語版)28日付によると、第2電力省情報として、住宅向け電力小売料金が単位あたり35チャット(約3.5円)のミャンマーにおいて、発電への投資に興味を示す外国企業は少ないとのこと。多くの国内、外国企業は電力供給設備と発電の民営化への投資について政府にアプローチしてくるが、これまでのところそれらは政府資金の貸付を申し出るだけだったという。

ミャンマーで電力省は2つに分かれている。第1電力省が電力生産と水力発電事業の管理を担い、第2電力省は発電と送電、販売を担う。因みにエネルギー省は天然ガスを外国に販売している。

2電力省は第1電力省から単位あたり20チャット(約2円)で買取り、住宅用顧客に35チャット(約3.5円)で販売している。その15チャットの差額では省の運営費を賄うのに十分ではないとのこと。

最近、電力料金が上がったが、それでも発電事業の収支は投資に見合わないのだろう。

記事によると国内には現在、18の水力発電所と1つの石炭火力発電所、10の天然ガス火力発電所があり、水力発電所の最大発電能力は1,270MWだが、暑季(乾季)はダムの水位が下がるため1,000MWしか発電できない。天然ガス火力発電所は更に340MWの追加発電が可能とある。

電力省の数字では、送電網のない地域が多くあるが、雨季のピーク使用量は平均1,450MWで、暑季は1,850MWに増加する。今年、需要が15%増加しているが、その需要を500MW下回っているとしている。